みなさんおはようございます、総務局の山城です。
参議院国土交通委員会の「高齢者、障害者等の移動の円滑化等の促進に関する法律
案」(法案)の審議に係る参考人質疑が昨日行われ、4人のうちの1人として私は、
全視協総務局長として以下の内容で発言しました。15分の発言と質問に応えて2・
3分は発言できたでしょうか。
法案は、27日の質疑を経て同委員会で採決され衆議院に送られる見通しだとのこ
と。3回・9時間足らずで?私たちからすればスピート審議ですが、自民・公明主動
の悪法製造マシーンとなっている国会からすれば時間をかけた審議だとの話しを聞き
ました。「永田町の常識、それは国民の非常識」の1例ですね。
。
バリアフリー新法に対する私たちの思い
全 日 本 視 覚 障 害 者 協 議 会(全 視 協)
総務局長 山城 完治
東京都新宿区大久保1−1−2富士
一ビル4階日本障害者センター
内
03−3207−5871
T 3つの不自由と3つの遅れ克服が課題
視覚障害者の平等と社会参加の推進のためには、3つの不自由と3つの遅れを克
服しなければなりません。
3つの不自由とは、@歩行・移動の不自由、A情報の入手と発信の不自由、B就
労の不自由であり、3つの遅れとは@障害を補う制度と技術開発の遅れ、A視覚障害
者についての理解と啓発の遅れ、B人権と民主主義の遅れです。
歩行・移動の不自由=安全な歩行と自由な移動の環境が整っていない 問題。
情報入手と発信の不自由=自由に読めない・書けないなどの問題
就労の不自由=公務員の採用試験で点字受検が認められていない所があるなど、
能力を活かして働く環境が整っていない問題
制度と技術開発の遅れ=福祉・社会保障、安全対策等の制度と電化製品などの機
械器具が視覚障害者にも使えるようにするための技術開発の遅れの問題
視覚障害者への理解と啓発の遅れ=全盲から弱視者まで見え方の多様な視覚障害
者に対する理解と啓発の取り組みがほとんどない問題
人権と民主主義の遅れ=点字・録音テープ・拡大文字の選挙広報が法律で認めら
れていないなど、社会参加の道が狭く不安定の問題
U 落ちる・ぶつかる・つまづく・迷う、見えぬ歩行の4難儀
視覚障害者も安心して自由に歩行・移動できる環境を整えるためには、上記の4
バリアをなくすことが必要だと考えます。
@落ちる=怪我に直結。駅ホームからの転落など
Aぶつかる=ぶつかりながら歩かなければならないのが視覚障害者の歩行。柱に
ラバーをまくなどぶつかっても怪我しない対策、ぶつかられない(改札口)対策が必
要。
Bつまづく=弱視者に切実。段差の少ない所で、段差の始点・終点がわかるよう
にすることが必要。
Cまちに点字や大きい文字の表示は少ない。どこにいるのか、どっちに向いてい
るのか、どう歩けばよいのかわからない。
V 落ちない駅ホームを1日も早く!
弱視者を含む視覚障害者の半数が、全盲者では3人に2人がホームから線路への
転落を経験しています。調査は、11年ほど前のものですが、転落事故は後を絶ちませ
ん。
@点字ブロックでは転落は防げない。
Aホームは欄干のない橋、視覚障害者のホーム歩行は綱渡りと同じ、いつも線路
への転落の危険と背中合わせ、落ちて当たり前の状況。
B見える人が落ちないのは、ホームのふちを見て、自ら壁をつくっているから。
対策1 転落事故を防ぐには、可動式ホーム柵を作るしかない。都営地
下鉄三田線では、可動式ホーム柵にしてから転落事故ゼロ。
対策2 ホーム要員をおいて、転落防止と落ちてしまったさいの救命に万全を期
す。
W 視覚障害者も安心して横断できる環境を!
信号の見えないものは、信号無視はできない。信号の方が、いや信号機を設置す
る行政が、視覚障害者の存在を無視している。
音響式信号機によって視覚障害者は、@そこに横断歩道があることを、A青信号
を、B横断する方向が警視庁交通管制課に電話で問い合わせたところによれば、都内
では、2005年度に音響式信号機が178箇所に設置され、1万5千の全信号のうち約126
0に音がついている。
対策1 音響式信号機の役割、標準装備を!
対策2 信号の色が見にくくなっている。
対策3 エスコートゾーンを整備して、横断歩道にも視覚障害者の道をもうけて
ほしい。
X 終わりに
まちづくりの現状は民主主義の姿ではないでしょうか。視覚障害者も、そしてだ
れもが安心して歩けるまちにしているかどうかは、民主主義の成熟度を計る物差しの
1つだと私は考えます。交通バリアフリー法によって、エスカレーターが飛躍的に増
えました。
しかし便利なはずのエスカレーターの利用は、視覚障害者から遠ざけられています。
数pあるいは1・2段の段差がここになぜと思う所がたくさんあ ります。これ
らのことに正面から向き合あい、改善を推進するまちづくりを支える、そんなバリア
フリー新法になることを心から願っています。
Y 私たちのねがい
1.可動式ホーム柵の設置を、エレベーター・エスカレーターと同様に交通バリア
フリー法に位置づけて下さい。
2.交通バリアフリー法の主旨を実現するためには、ホーム要員の確保、有人改
札の設置と駅員配置が欠かせません。安全・円滑な移動保障の担い手としての人員配
置を同法で定めて下さい。
3.号車・ドア番号の点字表示(可動式ホーム柵にはホームと車内)及び、ホー
ム階段の手すりの点字表示を制度化して下さい。
4.エスカレーターへの点字ブロックによる誘導を制度化して下さい。
5.改札の安全で安心な利用を制度として守り、衝突による事故を防ぐ以下の対
策を講じて下さい。情報の極端に少ない視覚障害者にとって有人改札は、なくてはな
らないものです。
@有人改札を確保して下さい。
A霞ヶ関駅・永田町(東京地下鉄)などに見られる有人改札口の閉鎖をやめ
させ、これが拡がらない対策を講じて下さい。
B有人改札口への自動改札機の設置を禁止し、高齢者や障害者の衝突を防い
で下さい。
C有人改札口に点字ブロックを切れ目なく敷設して下さい。
D自動改札口への点字ブロック敷設を止めさせる対策を講じて下さい。
E自動改札口に点字ブロックを敷設している所では、出・改札の兼用をやめ
るなどして衝突を防いで下さい。
Fスイカ専用の自動改札による混乱を防いで下さい。
6.JR東日本は、対話式券売機の導入を引き替えに「みどりの窓口」の閉鎖を進め
ています。しかし、同券売機は、視覚障害者には使えません。障害者・当時者の声を
聞かない、バリアフリー新法の主旨に逆行するこのやり方・流れを食い止めて下さい
。
交通信号機には、音による情報(音響式信号機)が標準装備されるようにして
下さい
7.横断歩道を視覚障害者も安心して歩けるようにするために、エスコートゾー
ンを飛躍的に普及させる対策を講じて下さい。
8.地方自治体が独自に行っている福祉タクシー制度を、交通バリアフリー法に
位置付けて、補助をするなど国の制度として実施して下さい。
9.安全に移動することが国民の権利であることを、法に明記し、法と施策の推
進の羅針盤を設けて下さい。
10.安心な歩行、自由な移動などバリアフリー新法の趣旨を実現するには、いわ
ゆるハード面の整備だけでは実現できません。設備を使って主旨の実現に責任をもつ
職員が必用です。そのことを制度化して下さい。
11.すべての障害者を法の対象とするために、「身体」に限定している定義を見
直して下さい。
12.基本方針、基準を明らかにする「省令」等は、障害者団体の要望にそって作
って下さい。パブリックコメントの実施を理由に意見聴取を軽視することのないよう
にして下さい。
13.法の施行にあたっては、市町村等に対する財政支援を積極的・十分に行って下
さい。
[以上]

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