2006/2/7
交通事故で、脳に障害をおってしまい、記憶が80分でなくなってしまう数学者の話。博士は離れに一人で住んでいるが、頼む家政婦は皆、この環境に馴染めず、すぐに辞めていってしまう。そこへ新しい家政婦さんがやってきた。この新しい家政婦さん、心がまっすぐで、さらに柔軟な思考の持ち主。この特殊な環境をよく理解し、博士を支えていく。後に家政婦さんの子どももこの物語に加わるが、これによってさらに温かい話になっていく。とっても心あたたまる物語。
★★★★☆
記憶が80分しかもたない、という状態はどういうことになるんだろう、と興味津々で読み始めたこの作品。この博士の頭のよさと心の強さに驚きます。朝目覚めて、「僕の記憶は80分しかもたない」というメモから、全てを悟らねばならないんだから。メモを読むたびに訪れる悲しみ、そんな環境にありながらも、普通の環境にいる人を気遣っている。人の心を気遣い、子どもには丁寧なしつけと限りない愛情を与え、とにかくもう、すごい人だなと思いました。
物語の中では、博士の様々な一面が垣間見れますが、私は家政婦さんの子どものルートと一緒にいるときの博士の、ルートへの接し方がとてもいいなと思いました。子どもを、甘やかすでもなくしかりつけるでもなく、まさに育てる、というかんじがすごくいいな。
80分しか記憶のもたない博士ですが、たとえ博士がこの世から去っていったとしても、家政婦さんとルートの心に、かけがえのない記憶として永遠に残るのだなあと思ってしみじみ。
数学者の話なので、数学の話がちりばめられているのもこの本の特徴。数学っていっても、よくいう数学とはまた違った話です。数字が神秘的にみえてくるかも。
映画もそろそろ公開?こちらも楽しみですね。

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投稿者: syoukichi
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