深刻な麻酔科医不足が背景にある。
厚生労働省によると、全身麻酔の件数は05年9月の1ヶ月間で17万4千件。
93年同期より42%伸びた。
一方、麻酔を主たる診療科とする医師数は、ほぼ同時期(94年〜04年)に4683人から6397人へと37%増えたが、06年は過重労働が研修医に嫌がられるなどして、逆に約180人減っている。
日本ではかつては麻酔は外科医の業務とされていたため、人口10万人あたりの麻酔科医数はアメリカの4割しかいない。
さらに近年、麻酔科医が担う領域は広がり、集中治療室での患者管理や痛みを除く「ペインクリニック」など、手術と直接関係のない業務も増えた。
難度の高い長時間手術が増えたことも激務の一因。
日本麻酔科学会の03年調査では大学病院に勤務する麻酔科医の残業は毎月平均108時間、当直は同4.2回に上った。
中国地方の公的病院の勤務麻酔医だった50代男性は、年間1千件の全身麻酔をかけていた。
「五つの手術を同時に担当したこともある」。
患者が呼吸困難などを起こした場合に対応するため、同学会は1手術に麻酔科医が最低1人つくよう指導しているが、こうした「並列麻酔」は日常茶飯事という。
口腔外科の手術研修の名目で、歯科医に一般手術の麻酔を常習的にさせている病院もあり、06年には死亡事故も起きている。

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