「モルドバに催眠術強盗あらわる」
結論から言うとこれはほぼ間違いなくインチキニュースなのですが、これが事実だと信じている人が少なからずいるようです。たしかに、この手の話はウソくさそうだけどありそうな話なので、催眠の仕組みを知らない人ならだまされてしまうのも理解できます。
しかし、今回はむしろ催眠を勉強している人のほうがたくさんだまされているようです。「俺は催眠については詳しいから事件の詳細を解き明かしてみせるぜ」的な意気込みのあまり「この事件は本当だ」と勝手に思い込んでしまっているのかもしれません。あるいは、催眠を熱心に勉強している人の中には「催眠」というフレーズを聞くと反射的に食いついて冷静さを失う人がいるので、それが原因となってだまされているのかもしれません。
上記のような人は、良い言い方をすれば「素直な人」、悪い言い方をすれば「興味のあることを何でも鵜呑みにする人」と要約できます。そして、このような人が業界でカモにされているわけですが、皮肉なことに、彼らはなまじ知識や経験があるからこそだまされているとも言えます。人はある物を手に入れるともっと欲しくなるものです。ですから、知識や経験があると、更なる知識や経験を求めてのめり込むあまり冷静さを失ってしまう傾向があるのです。この業界は、そうした人たちをカモにします。しかも「カモられている」と思わせずに。それを防ぐにはどうすれば良いでしょう? 催眠やNLPを勉強している人の一部はこう言うでしょう。「潜在意識にメッセージを送れば良い」と。私ならこう言います。「論理的思考力の訓練をしよう」と。

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