ほとんど実体のない米国の大学の学士号や博士号などを“販売”する「学位商法」について、文部科学省が対策に乗り出す。米国では数年前から「ディプロマ・ミル」(DM=学位工場)と呼ばれ社会問題化。日本でも経歴覧で博士を名乗って商法に利用するなど問題が出始めた。校名や住所を頻繁に変えるためブラックリストでは対応が難しく、文科省はユネスコ(国連教育科学文化機関)と連携して正統な学位を出す大学を紹介する「ホワイトリスト」を作成する方針だ。(池田証志)
DMから「学位」を取得するのは簡単だ。
名前や住所、経歴などを記入した申込書を大学あてに郵送し、数十万〜百数十万円を指定口座に振り込むだけ。社会経験や資格を単位認定して授業を省略、あっという間に取ることができる。
中には数十枚の論文提出や数回分の通信教育など、「独自の基準」で学位を出すところもあるが、文科省には当然、認められていない。
「正統な学位と混同し、高い授業料を払わされる被害者もいるが、偽学位で箔(はく)を付けてビジネスやキャリア上の利益を得る確信犯がほとんど」。DMに詳しい東京大学教育学部長の金子元久教授はこう話す。
博士を名乗って健康食品を販売したり、経歴欄に記載して就職を有利にするなど「詐称・詐欺的行為」に利用されることもある。「法の華三法行」の福永法源元代表も博士を名乗っていた。
DMをブログ「学歴ネット」で追跡している静岡県立大学の小島茂教授は
「日本でもDMの博士号保持者は大学教授、経営者、カウンセラーなどさまざまな職種におり、『広告塔』となっている著名人もいる」と指摘。3年間で200件以上の相談が寄せられたが、「氷山の一角」という。
米国では数年前、DM学位を名乗る要人が公職追放されたり、それを悪用した業者が摘発されたりするなど社会問題化した。
米国の正統な大学は通常、教育機関として州認可を受けた上で政府公認の認定団体から適格認定を受ける。これに対し、DMは「○○大学」という法人を州に届け出るだけで非認定だったり、認定団体を勝手に作り自らを認定したりする。非認定でもまともな大学もあるが、例外的だという。
キャンパスがなく、主にインターネットで運営するDMも少なくない。日本校は事務所だけ、米国の住所はオフィスビルの一角や郵便受けだけというケースも。
金子教授は「DMは教育の国際化、自由化、ネット化のすき間につけ込む詐欺集団。学位取得も自己責任の時代」という。
事態を重く見たユネスコは昨秋、「質の低い教育や不当な提供者から学生を保護するガイドライン」を策定。安全な大学を紹介する「ホワイトリスト」約20カ国分をホームページで公表する計画を進めている。文科省も「法の境界線で活動するDMに網をかけられる」として、日本の認可大学のリストを整備し、来年中にユネスコに通知する予定だ。
(SANKEI WEB 2006/12/10)
アメリカの大学の日本校を名乗り、偽の学位を販売する業者、いわゆる「学位商法」の実態がFNNの調査で明らかになった。
さらに、日本の国公立大学や有名私立大学の現役教授が、こうした業者から偽博士号を取得し、経歴として使用している実態が明らかになった。
FNNの調査で、問題の偽学位を発行しているのがわかったのは、ルイジアナ州が本部で日本校を持つクレイトン大学、ハワイに拠点を持つパシフィック・ウエスタン大学、ホノルル大学の3つで、いずれも代金を支払えば、短期間で博士号が取得することができた。
3校のパンフレットなどに書かれた住所には、小さな事務所や私書箱しかなく、ルイジアナ州やハワイ州では、これらは大学として認可されておらず、学位は偽物だとしている。
文部科学省によると、こうした大学まがいの法人から博士号を取得した国公立大学や有名私立女子大学の現役教授が、少なくとも16人いるという。
文部科学省高等教育企画課・国際企画室の田口重憲室長は「学歴に対する信用を損なうものであるという点が大きいですし、適切でない行為だと言っていいと思いますね」と話した。
文部科学省は今後、偽学位を取得した教授らを採用した大学に情報を提供するとともに、ユネスコと連携して、世界の大学の安全リストを作成したいとしている。(FNNニュース
http://www.fnn-news.com/headlines/CONN00102256.html)
民間のカウンセリング/セラピー業界や有名人の中にもこのような学位を肩書きにしている人がいますが野放し状態に近い状態です。
ブラックリストではなくホワイトリストというのはいいアイディアだと思いますが、ホワイトリストに載っている正当な大学と同じ名前を勝手に名乗る可能性もあります。それについての対策もあるのでしょうか。注意を喚起するだけではなく、取り締まりとサンクションを強化しないと対策にならない気がします。