高校時代まで典型的な活字嫌いでしたが、あるとき、部活の先輩(男)が図書室で三島由紀夫を読んでいる姿を見て「かっけえ」と思い、無理矢理、文学青年になろうとしたのが本との出会いです。ホント、子供の頃は「ズッコケ三人組」くらいしか読んでなかった。
そんな私が、本の虫になるわけもなく、読む作家もかなり偏っています。特に村上春樹に対する傾倒ぶりは異常。卒論も春樹で乗り切るほどのハルキっぷり。
■私的一般小説ランキング(ベスト10)
・1位:「ダンス・ダンス・ダンス」(村上春樹/講談社文庫)
→つまるところ、ただ単にユキに萌えただけです。本当に文学部かよ。
・2位:「春のソナタ」(三田誠広/集英社文庫)
→高校時代に夢中で読みました。「重文は極力控える」「人称代名詞は使わない」という三田の青春小説は、とても読みやすかったです。親父にも青春時代があったんだなあと、この本を読んで父親に対する見方が変わったような気がします。
・3位:「風の歌を聴け」(村上春樹/講談社文庫)
→村上春樹で一番最初に読んだ作品です。これが群像新人文学賞を獲ったと知った時は衝撃的でした。すっごく面白いけど、エライ人たちがよくこれを選んだなあ、と。文壇で嫌われ、大衆に受け入れられる小説だと思います。
・4位:「太陽の塔」(森見登美彦/新潮文庫)
→冒頭の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」のオマージュ(でいいのか?)で笑ってしまいました。この作家のユーモアのある言い回しは、賀東の文体に似ているものがあり、すごき楽しめました。ただ、2回目に読んだときに「太陽の塔」が象徴しているものが何であるかに気づくと、この作家が大好きになりました。「夜は短し、歩けよ乙女」も殆ど同じ話ですが、こちらはエンタメ小説だと思います。「太陽の塔」にはかっこうよく言えばニヒリズムが流れているので、私は後者の方が好きです。
・5位:「失われた三時間」(スコット・フィッツジェラルド/中公文庫)
→「村上やるなら、フィッツジェラルド読んでおけ」と教授に言われて「グレート・ギャツビー」を読むも、程なくして挫折した私が唯一読んだフィッツジェラルドの短編です。こういうことを起点として、人間は老けていくんだなあと思いました。
・6位:「密やかな結晶」(小川洋子/講談社)
→図書館で借りてきた本です。淡い色をした世界観にやられました。自分を構成する様々な要素が消滅していったとしても、大切にできるものがあるというだけで、案外幸せになれるのかもしれないな、と思いました。この文章書いてて思いましたが、この作品は数年後には1位になっているかもしれません。
・7位:「こころ」(夏目漱石/岩波文庫)
→噂通り、面白い物語でした。これだけきれいな文章作れたら、かっこういいなあとか思います。ちなみに演習で「それから」を読みましたが、正直読むのがきつかった。
・8位:「1973年のピンボール」(村上春樹/講談社文庫)
→「何もかもが同じことの繰り返しのように感じられる。限りのないデ・ジャヴュ。繰り返すたびに、悪くなっていく」
精神的に参っているときに、この本を手に取ると鬱の無限ループが始まります。そして厄介なことに、精神的に参っているときしかこの本を手に取ることはありません。駄目なときの自分のバイブル。
・9位:「いちご同盟」(三田誠広/集英社文庫)
→高校時代に「ズッコケ」以来、初めて読んだ小説でした。良一と徹也が相撲を取る場面は、息を呑んで読み進めた記憶があります。幸か不幸か、この本を読んで色々私の人生も変わったんだろうなあ。
・10位:「スローターハウス5」(カート・ヴォネガット・ジュニア/ハヤカワ文庫)
→正直、長くて読むのが辛かったです。翻訳モノ自体が、どうも私には合わないということもありましたが。ただ、戦死と窃盗による死刑が「そういうものだ」という言葉でちっぽけなものになってしまうところに、暗いユーモアを感じました。ティム・オブライエンの「本当の戦争の話をしよう」もそうですが、戦争を題材にした小説は読むと目を背けたくなります。本当は背けちゃいけないんでしょう。
…なんという春樹・三田祭り
次回は、児童文学ランキングですよー