最初にこのタイトルを聞いたときは、何だか同じような映画があったなぁ〜と思ったまだが、ヒョンジェくんのファンミ(08,6/23)で映された映像が面白そうだったので、韓国での放送から半年という早さでCSで日本でも放送されたものを、友人に頼んで録画してもらった。以前、最初の6話分だけを受け取って見たら、CGや妄想シーンも織り込んだストーリー展開や、今までに見たことのないパパ役(チョ・ヒョンジェ、ジェヒ、シン・ソンロク)たちのコミカルな演技も面白かったので、年始休みに見ようと催促して、残りをもらっていた。
ドラマの冒頭は、まだ生まれてくる前の胎児(CG)が「私の名前はハソン。"神様(ハヌル)からの贈り物(ソンムル)"っていう意味で…でも、生まれて来るには奇跡や沢山の問題を乗り越えなきゃならない…」と、物語はハソンが生まれる3年前に遡る。
チョン・ソンミン(ユン・サンヒョン)は、大学の頃から交際していたソン・ナヨン(ユジン)と結婚する。ソンミンの両親は他界し、ナヨンにもギャンブル好きで疎遠になった父しかいないので、ファミリーに憧れるナヨンは、一日も早く赤ちゃんが欲しい。
でも、せっかくの日曜はソンミンの親友たちに押しかけられ、ポーカー三昧の男たちを横目に、彼らの洗濯や料理で潰される。
親友3人は独身で、証券会社に勤めながらお金持ちのお嬢様との結婚を狙うケチなハン・スヒョン(チョ・ヒョンジェ)、売れない漫画家のチェ・グァンヒ(ジェヒ)、刑事のナ・ファン・ギョンテ(シン・ソンロク)は1つの家で同居している。
結婚1年目の記念の日も、妊娠しやすい日だというのに、彼らに押しかけられ…でもちゃんと祝ってくれる。
瞬く間に3年が過ぎ、近所のおばさんから「旦那に柘榴の絵のパンツを履かせると良い」と言われれば、迷信でも試してみるが、一向に妊娠しない。
病院に相談し検査したところ、ソンミンは無精子症と診断され、それでも赤ちゃんを望む妻のために、親友たちに「精子を提供してくれ」と頼む。3人は、酔わされた勢いで誓約書を書いてしまうのだが、酔いが覚めると「道徳に反するから、なかったことにしてくれ」と言う。しかし、誰のを使うかも分からないし、妻にも秘密にし、子どもの養育にも口を出さないという約束で、提供だけはする。
誰のがビンゴしたのか、受精卵は着床してナヨンは妊娠し、ソンミンも甲斐甲斐しく世話をして、赤ちゃんが生まれてくるのを待ちながら、幸せな時間が流れる。
しかし、借金取りに追われたナヨンの父(イ・ヒド)を救うため、妻には出張と偽って出掛けたソンミンは、事故に遭い、突然亡くなってしまう。
ソンミンのアパートも借金の抵当に入っており、ナヨンは身重ながら働かなくてはならなくなる。幼児教材の訪問販売に雇われるが、家々を巡る激務に倒れてしまい、携帯電話で病院から呼び出された3人は、「父親なら、妻を労わりなさい」と怒鳴られる。
ソンミンの荷物を整理していて、子どもに宛てたビデオを見つけた3人は、ソンミンが「3人ともパパの大親友だ。お前も"叔父さん"たちに孝行しろよ。彼らがいなかったら、お前はこの世にいないんだからな」と告白していることに、自分たちの誰かが本当の父親なんだ!と驚愕し、父親なしで子どもを抱える大変さを訴えて、一度は中絶を切り出すが、ナヨンは「夫が最後に残してくれたものだから、産む」ときかない。
3人も赤ん坊の心音を聞き、お腹の中から蹴ってくる手触りに、父親の自覚が芽生え、亡くなった親友の代りに妊婦学級にも付き添い、陣痛と連絡を受ければ、夜中でも車を出し(でも間違いだった)、その寝不足のせいでスヒョンは株を一桁間違えて買う失態もする。本当に陣痛が来てもドタバタするのだが、3人に見守られて、ナヨンは出産する。赤ちゃん(女の子)は、ソンミンが名付けた"ハソン"と名付けられ、3人のパパたちも育児に参加せざるをえなくなる。子ども一人が成長するまでには2億かかると調べると、3人で割って一人7,000万の金を捻出するために、グァンヒは買ったばかりのバイクも売るし、ギョンテはお見合いの最中に赤ん坊を押し付けられる。
ナヨンは仕事を探すが、子どもがいてはどこも雇ってはもらえない。落ち込んでいるところに友人に再会し、急遽建設会社のコンパニオンの面接を受ける。
「30分だけ」とハソンをグァンヒに預けたものの、採用されるとすぐに蔚山のマンション・モデルルームに連れて行かれる。ホテル代を浮かすため、ナヨンはモデルルームに忍び込んで寝るが、翌朝建設会社のチーフに見つかってしまう。
ソウルでは、携帯も連絡が取れなくなったナヨンを「父親もなく一人で育てることを悩んで、自殺するのでしないか」と心配し、ギョンテは警察のGPSを無断使用してナヨンの居所を探し、3人はハソンを抱えて蔚山に向かう。
ナヨンとも無事に会えて事情もわかり、パパたちはソウルに戻る。
ナヨンの仕事ぶりは、モデルルームを訪れる老人たちにも人当たり良く、言葉も上手いので販売実績を挙げてチーフの目に止まり、ボーナスまでもらえる。しかし、足を怪我
して戦線離脱せざるをえなくなる。ソウルまで車で送る途中、チーフは自分がこの建設会社の息子だが正妻の子ではない為に長男(常務)からは疎まれている話などをし、独身と思いナヨンにプロポーズする。ナヨンは、既婚で子どもも居ることは内緒にしているので、蔚山まで追いかけてきた3人のことも「近所のおじさん」としか紹介できない。 ナヨンのアパートはとうとう差し押さえられ、パパ3人は「家においでよ」と、スヒョンの二階の部屋を空けてナヨンとハソンを住まわせる。
お世話になるからとナヨンは食事を作るのだが、自分たちで作ったほうがマシなくらい不味く、ガラス窓を割ったりと、問題は絶えないのだが、パパたちもハソンを可愛がり、ハソンが居る生活が楽しくなってくる。男では解決できない乳腺炎の痛みなどには、ギョンテやグァンヒの母親が駆けつけて面倒を見、まるで大家族のような連携ぶりだ。
ナヨンも怪我が治ると、再びスフィア建設で、チーフのチョン・チャニョン(チュ・サンウク)がナヨンに感化されて作ったタスクフォース・チーム(売れ残ったマンションの問題点を住民目線でみつけ、改善していく為の部署)で働くようになり、ハソンを保育所に預けようとするが、パパたちは他人に預けるのさえ気になり、自分たちで分担しながら世話をしていく。ウンチが出れば健康だと喜び、歩けば携帯の動画をみんなに送り、男同志で散歩をさせている様子をゲイに間違えられても、パパたちにとっては幸せな子育てなのである。ハソンが「パパ」と言葉を発せば、それぞれが自分のことだと思い、今度は識別させるために「アッパ」「ダディ」「パパ」と呼ばせようとしたり、ハソンは1歳の誕生日も3人のパパとママに祝ってもらいう。
しかし現実問題としては、彼らも誰かと結婚していかなければならない。
スヒョンは、資金運用を任せられた大会社の会長の娘ソヨンに目をつけ、彼女との交際も先行投資と考えて、高級レストランで食事をしたり、ブティックで試着もせずに大量に服を買うのを見て、何て散財だ!と思いながらも、交際を進める。
両家で会う機会をと言われ、実は父親は認知症で入院しているとも言えず、高校の守衛だったことも校長だったと有耶無耶のままでいていたが、ソヨンに押し切られて施設に連れていくと、かつてナヨンを連れていったときとの反応の違いに、改めてソヨンの冷たさを知る。
グァンヒは格闘系の漫画を描いていたが、読者にも受けずクビになってしまう。時間があるおかげでハソンの世話をすることは充分できるが、以前のようにガールフレンドと遊ぶ時間はない。ハソンやその育児体験を漫画にし、ネットに掲載したものが受け、以前の編集長が「本にしないか」と、再び契約できることになる。
しかし、精子を提供したことがナヨンに知られることとなり、ナヨンはハソンと共に家を出て、父の住む屋根部屋に居候しながら仕事に行く。彼らのいない生活で、どれだけ助けてもらっていたかが見に染みるのだが、今さら「誰が本当のハソンの父親か」といい始めた彼らのところに戻れはしない。ナヨンにとっては、あくまでもハソンの父親はソンミンなのだから。
ギョンテは、見合いにも断られ、部下のジョンヒに好かれていることもお構いなして、子育てに夢中になる。というのも、血液型がただ一人ハソンと同じB型であることから、密かに自分が父親だという意識があるからだ。(グァンヒ=A、スヒョン=AB)
強盗犯を逮捕する際に腹を刺され、一刻を争うというときに「家族の同意書がなければ手術が出来ない」と言われ、ナヨンが咄嗟に「家族です」と言ったことを好意以上に受け止め、ナヨンが好きだという気持ちに歯止めがきかなくなっていく。
ギョンテの母もグァンヒの母も、ハソンを孫のように接するうちに、息子がハソンの実の父親で、ナヨンと結婚してくれれば良い…と思うようになり、それぞれがハソンの毛髪で遺伝子検査に持ち込む。結果は二人とも親子の可能性0%なのだが、それを隠してでも結婚させたいと思う。
ギョンテの犯人逮捕は、表彰と昇進に値するもので、班長からお祝いにペンションの宿泊券をもらう。ギョンテ、スヒョン、グァンヒ、ナヨン、ハソンは、週末をペンションで過す。が、「ナヨンが好きだ」と告白したギョンテとグァンヒは喧嘩になり、スヒョンは間に入って何事もないように見せかける。が、実はスヒョンもナヨンが好きなのだ。
タスクフォースチームのおかげで業績も上がり、会長は海外事業部を息子のチャニョンに任せることにする。ドバイ支社に赴任し業績を固めるためには、5年は居てもらう必要があるので、好きな人がいるならこの際に結婚をしなさいと勧める。
チャニョンはナヨンに子どもが居ることを理解した上で「一緒にドバイに行ってほしい」とプロポーズする。
ナヨンも、3人のパパ…叔父さんには好意はあっても愛情とは異なるもので、"主人の親友"という位置づけでしかないので、いずれは彼らも誰かと結婚し、自分も彼らに頼ってばかりではダメだと考え、ドバイ行きに承諾する。
寄りによって、ナヨンとハソンの出発の日は、スヒョンの約婚式と重なる。
家の前で別れを告げ、約婚式へと向かった3人だったが、ギョンテとグァンヒは「ごめん!結婚式には出席するから」と、空港に見送りに行ってしまう。
スヒョンも思い直し、自分の約婚式をすっぽかし破談にしてまでナヨンとハソンを追う。しかし、彼らが空港に着いた時は既に搭乗は終了していた。
ソンミンの木の下に「彼女たちは行ってしまったよ」と報告して家に戻ると…なんとドバイに行ったはずのナヨンが「行かなかったの」と帰宅している。
「ハソンにとって本当に必要な人は、あなたたち3人だから」
そして、今までと同じような、ハソンと3人のパパと1人のママ…の暮らしは続き、3年後。
パパたちが見る限り、ハソンはソンミンに似てきている。
パパたちはまだ独身のままで、検査で自分は父ではないと知っているギョンミンとグァンヒは、もう打ち明けても良い頃だろうと、スヒョンに「お前が父親だ」と告げる。
しかし、スヒョンも検査で父親の可能性ゼロと確認しており、ハソンの父親はソンミンだったことが判明する。誰が本当の父親かという問題がクリアになった以上、未亡人のナヨンとの結婚戦線は、振り出しに戻る。
最初の頃、ドラマはハソンのナレーションで、パパたちの騒動を子ども目線で見た作風で、もし精子提供した子どもが大きくなって、想像を超えるカタチで自分の前に現れたら…といった妄想や、CGの精子くんたちのバトルの様子も描かれていて、コメディとして面白かった。
特に3人のパパたちの演技もはじけていた。
クールで金のことしか頭にないスヒョン(チョ・ヒョンジェ)が、いちいち幾ら払ったとか、妊婦に食べさせる梨一つでも、値段を気にするとか、自分の車を汚されることを嫌がっていた男が、子どもがいると汚れに目くじらたてていられなくなる変わり様もよく描けていたと思うし、漫画家という家で仕事をしているからこそ、育児を任せられることが多くなり、子どもに苛々させられながらも、ゆりかごを足で動かしながら頑張ったり、男性の公衆便所にオムツ替えの台がなくて怒ったり、生活に密着した男の子育てが
見られるグァンヒ(ジェヒ)も良かった。でも、トイレのドアは開け放し、臭くてちょっとダメ男にも見えるけれど、根は優しく正義感に満ちたギョンテ(シン・ソンロク)が、今までのドラマとは全く違う役作りで、表情も表現力も豊かなボケぶりに感心した。
独身男性が、ただ子育てに振り回されているうちに父性とか愛情に目覚めていく物語というだけでなく、自分が実の父かもしれないというミステリーが、よりパパたちの意識に特別な感情を抱かせたと思うと、ドラマとしては、これで誰か一人がパパだったと決まってしまうよりも、一番ありえなかったソンミンが本当の父親だったというのが一番王道な作りだと思えるし、ぜんぜん別なところからナヨンの夫候補が登場したものの、誰とも結ばれないというのがハッピーエンドなのだとは思う。
でも、CGや妄想を含んだ序盤から、話が進むに従って何だか"普通"のドラマになっていったのは、面白さが半減した。ハソンが「パパたちったら!」と言うナレーションもなくなり、普通の恋愛ドラマになってしまうよりは、ラストでドバイに行かせてしまって、パパたちがハソンの居ない5年間を淋しく過した後に、3年後ではなくもう少し言葉も喋れておしゃまさんに成長したハソンが、5年後もしっかり彼らのことを覚えていて「パパー!」と再会を喜ぶラストでも良かったかな…と思う。
韓国のドラマ撮影は、時間との闘いであるようなことが言われるし、台本も撮影しながら書き上げていき、途中で役の重要性が変わってきたり、ストーリーが変るということを聞く。たぶん、このドラマも序盤の頃のようにはCGやドリームシーンを使う余裕がなくなっていったのだと想像するし、画面にも、特に14話頃にギョンテ(シン・ソンロク)が刺されて入院する辺りでは、グァンヒ(ジェヒ)がいつの間にか右手を怪我しているし、スヒョン(チョ・ヒョンジェ)も目の下に絆創膏を貼りながらの撮影で、クマまで露になると、ストーリーとは別なところで、終盤の山にかかるこの頃が一番ハードだったのかな…と想像できる。
現在はヒョンジェもジェヒも入隊中で、彼らより2才年下のシン・ソンロクも含めて30才前の彼らたちが演じたパパだからこその面白さ、普通だったらまだ半人前みたいな若さだからこそ感じる父性が、普段とのギャップもあって、とても楽しめたドラマだった。

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