「神戸空港(Wikipedia)Kobe Airport」
散歩
大阪の西26km、神戸市中心部三宮の南8kmに位置する地方管理空港である。兵庫県神戸市中央区の沖にある人工島ポートアイランド沖南側の人工島に建設された。国内97番目の空港で、第三種空港としては初めて建設・運営を市が手がける市営空港である。2006年2月16日開港。近隣には大阪国際空港と関西国際空港が存在し、これによって関西三空港時代を迎えた。愛称は「マリンエア」で、2,500m滑走路1本を持つ海上空港である。空港3レターコードは元々神戸が持っていた都市コードであるUKBを使っている。なお、運賃取扱上は大阪と同一とみなされる。よって、都市コードの大阪OSAには伊丹ITM・関西KIX・神戸UKBの3空港が存在する。
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/39/030/
[概要]
神戸市内・大阪市内空港島の造成や連絡橋(神戸スカイブリッジ)等を含めた建設費3140億のうち90%以上を神戸市が拠出して運営する。旭川空港・帯広空港に次いで国内3番目の市営空港となる。神戸市は、神戸空港の経済効果を約3,621億円と試算し、初年度においては約319万人の利用を見込んでいたが、実際には269万7,279人(搭乗率61.1%)と予想を下回った。
空港開港に合わせて、ポートライナーが延伸されて三宮駅から最速16分半で結ばれており、神戸空港駅から空港ターミナルビルまでは約10mの連絡通路でつながっている。2006年7月より、関西国際空港との間を高速艇が約30分で結ぶ航路が新設された。
2006年9月28日より『国際ビジネスジェット』が就航したため、税関や入国管理・検疫などを扱う出入国審査室が旅客ターミナルビル一階に設けられた。ビジネスジェット到着時に関係職員が臨時的に対応するようになっているが、利用申請が2週間前(入国時)までと早い、時間も平日の9時-17時のみの対応と限られる、植物検疫ができないので機内のゴミが捨てられない、など実質的な利便性は十分と言えない。
着陸料は、座席数300席弱の航空機で1回14万円程で大阪国際空港(伊丹空港)の半分、東京国際空港(羽田空港)・中部国際空港の3分の2になり他空港や新幹線に対して競争力を高めている。また、駐車場は1,250台分設置し、1時間150円、24時間1,500円となる(ただし、航空機利用者は最初の24時間無料、以降24時間1,000円。※保安検査内および到着ロビー内で精算するため、航空機利用者以外は特例を活用できない)。
神戸空港には採算・安全性に対する不安を指摘する意見もある。採算面では、空港建設で発行した市債の返済財源に空港関連施設用地82.6haの売却益をあてる計画である。しかし、2007年1月時点で0.3haが売却されたのみであるなど、用地売却については不調であり、神戸市は期間限定で割引などの優遇策を導入する方針であると報道されている。

[就航路線]
日本航空 (JAL)
新千歳空港、東京国際空港、鹿児島空港(2009年1月31日まで運航)、
日本トランスオーシャン航空 (JTA)
那覇空港、石垣空港
全日本空輸 (ANA)
新千歳空港、仙台空港(2009年3月31日まで運航)、東京国際空港、那覇空港
スカイマーク (SKY)
東京国際空港、那覇空港(夏期季節運航)
天草エアライン (AMX)
熊本空港
かつては新潟空港へも就航していた。
(神戸空港発)就航路線別旅客数/順位 行き先 旅客数 国内線順位
東京国際空港 約144万人 上位11位
新千歳空港 約63万人 上位41位
那覇空港 約58万人 上位43位
国土交通省 平成19年度航空運輸統計速報(平成20年6月26日)、上位50位にあたるものまでを記載。
[運用]
空港の運用時間は午前7時から午後10時の15時間であり、第三種空港では最長になる。
安全面においては、半径25kmの範囲で存在する伊丹・関空・神戸の3空港は標準到着経路や標準計器出発方式の経路が接近しているため、進入・ターミナルレーダー管制を一元的で行うことで対応している。関西全域の空域管制は、関空で行われているが、ここにサテライト空港席として特別に神戸空港専用の管制卓がおかれて関空機と神戸機との間のスムーズな管制をはかっている。
神戸空港の運用は、着陸は東向き、離陸は西向きが基本であり、いずれも明石海峡側に離着陸するように設定されており、多少の追い風でもこの運用を行っている。離陸の場合は西向きはそのまま明石海峡上空のMAIKOポイントへと向かう。やむを得ずに、東向きに離陸する場合は空港東側で180度旋回しMAIKOポイントへ向かう。 着陸も明石海峡から進入し、東風の場合にはそのまま降り、西風の強い場合は空港南側を通り六甲沖あたりで180度旋回してサークリングアプローチで着陸する。南北方向の風の影響を受けやすく、同じく東西にそびえる六甲山を越えて吹く風により揺れることがある。また、近傍の大規模な空港に比べて小さな空港なため、ブロックアウトから離陸までのタキシング時間が5分少々であるという利点がある。開港後の定時運航率は、全国平均並となっている。
国土交通省は神戸空港の1日の発着数を安全上の理由から30便(年間、約2万回)に抑えており、国際線は伊丹空港と同じく、定期便はもとよりオウンユース以外のチャーター便も認めず、ビジネス機などに限定する扱いとした[1]。しかし、国土交通省の募集したパブリックコメントでは、神戸空港の国際便を要望する回答も多く、今後も神戸空港の抑制策が継続されるのかどうか注目される。
なお、2006年10月現在、神戸空港の発着数は一日28便となっている。
[航路との関係]
神戸空港は海上空港であり、また神戸港の入口にあるために、空港設置時に船舶との干渉が懸念された。しかし、航空法の制限表面の規制は建物や錨泊船など固定物に対する規制であって、移動中の船舶に対する規制はない。 そこで神戸空港建設にあたっては、航空法の建築物に対する規制をそのまま船舶に援用し、想定する大きさの船のマストの高さがこの規制にかからないよう航路設定等を行った。具体的には、空港に近い 旧神戸第2航路を廃止、旧第1航路を拡幅の上で神戸西航路に変更、神戸第3航路(=現神戸中央航路)とは滑走路端から3000m程度離すなどである。
航路から滑走路までの海域では、進入表面にマストがかからないよう安全情報が提供され、船舶が留意して走行するようになっているが、上述の理由から特段の航行禁止は行われていない。航路を逸脱した船舶には 注意喚起が行われるものの、制限表面を超えるマスト高の船舶が侵入し、かつ航空機が危険であると判断する場合は、航空機が避けるものと整理・解釈されている[2]。
しかし一方で、進入表面などは余裕をもって設定されており、たとえばILS(3度)で侵入する場合、滑走路端から3km離れた地点での飛行機の高度は150mであるが、このときの進入表面は高さ60mであり、船舶が制限表面内に侵入してきたこと自体が全面的に危険なのではない。
なお、神戸空港では上述のように航空法の固定物の制限[傾き2%]をそのまま船舶に適用して航路設定等を行ったが、神戸より条件の厳しい羽田空港の新滑走路では、移動物のICAO標準(傾き2.85%)に従うことで、 航路が近接している状況での滑走路の新設を可能とした。(神戸空港島と神戸中央航路の距離は約2700m、羽田新滑走路と東京第一航路約1700m)
[編集] 今後の課題
開港1年目の利用数は当初の目標数を約50万人下回り、平成18年度の平均搭乗率は60.4%だった。初年度に利用者数の少ない便に関しては、各社撤退や減便を決めている。一方で、観光客利用の多い北海道や沖縄への便、ビジネス利用の多い東京(羽田)便に関しては、増便の傾向にあった。また、期待されていたプライベートジェットに関しては、僅か4機に留まっている。もう1つの課題である、空港の建設費を補う予定にしている土地売却に関しても、ほとんど進んでいない。
今後、如何に空港の利用者数を上げていくのか、そして空港建設費を一体どうするのかが、2年目以降の大きな課題として突き付けられている。なお、開港2年目の2007年2月〜2008年1月も結果として搭乗者数297万人であり目標には届かなかった[3]。3年目は4月下旬よりスカイマークの羽田便が減便されるため、目標達成にはかなり厳しいスタートとなる。
■ 施設概要 ■
[空港島]
面積:272ha(うち空港施設用地 153.6ha、空港関連用地 118.4ha)
ポートアイランド南沖約1kmに位置し、大阪湾断層(海底活断層)があることが確認され、液状化対策を兼ねてグラベル・コンパクション工法が採用された。
神戸空港の島西緑地・空港島の西側には、水質浄化のための実験場と市民が親水できる空間を兼ねて海水が出入りすることができる浅い海水池(人工ラグーン)と、それを取り巻く砂浜や磯浜を設けて親水公園として整備されている。潮の干満で海水を調整して多様な生物が生息することで水質浄化も期待できる。この公園は、滑走路に隣接して飛行機の離着陸を間近に体感できる格好の場所となる(2006年9月16日から暫定供用中)。
[編集] 飛行場施設
神戸空港滑走路滑走路
舗装厚は約87cm
管制塔(国土交通省大阪航空局神戸空港出張所)
旅客ターミナルビルに隣接した西側に位置する。高さは約33m
[編集] 旅客施設
ターミナルビル
鉄骨造り 3階建て(一部4階建て)
東西約135m、南北約55m(延床面積15,200m²・商業施設床面積1,888m²)
「神戸空港ターミナル株式会社」が管理・運営
27のテナントが入居している(2006年2月16日現在)
固定搭乗橋は4本、PBB(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)は5本。5番搭乗口はPBBが2本である。
[編集] 給油施設
開港時容量約500klのタンクが2基。JAL・ANA・三愛石油の共同出資による「神戸空港給油施設(株)」が運営。さらに1基増設し3基となった。(2006年8月に着工、2007年2月1日供用開始)
1日の給油量を約120kl、常時4日分の在庫を保有する見込みが、実際には給油量が1.4〜1.7倍になり、1日170〜200klで推移してフル稼働となっている。
[編集] 航空管制
TWR 118.50MHz
ATIS 128.075MHz
識別信号:KOBE AIRPORT
ATISの周波数は混信等の問題により開港までに2度変更された。
(126.25→128.85→128.075)
[航空保安無線施設]
局名 種別 周波数 運用時間 識別信号
KOBE VOR/DME 111.25MHz/1134MHz 7:00〜22:00 KCE
KOBE ILS 109.15MHz 7:00〜22:00 IKO
[歴史] 建設中の神戸空港空港建設計画は1946年の「市復興基本計画要綱」に初めて登場する。具体的な神戸沖空港建設の計画は、1969年5月に当時の運輸省の関西新空港構想に始まっている。この構想では、関西新空港予定地は神戸沖の他にも、播磨灘、淡路島、泉州沖が想定されていたが、大都市圏からのアクセスの利便性により神戸沖が有力とみられていた。 (略)
[交通機関]
神戸空港はポートアイランドの南に位置し、ポートアイランドとは神戸空港島連絡橋(神戸スカイブリッジ、無料)を通る延伸されたポートライナーによりつながる。神戸スカイブリッジには歩道があり、歩いて渡ることも可能である。
神戸空港は、これまで伊丹や関空を利用していた姫路・加古川・高砂・明石・淡路・洲本・南あわじ・鳴門・徳島といった神戸以外の旅行客に対しても、その利便性の良さから利用が見込めるとする向きもある。
バス路線では、兵庫県内以外でも徳島からの高速バスが運行している。淡路島方面の高速バスは2007年3月15日付けでJR系の路線が撤退した[6]。2007年12月1日付けで全但バス・阪神電鉄バスの神戸空港乗り入れも中止されている。
[鉄道]
ポートアイランド線
(ポートライナー)神戸新交通ポートアイランド線
神戸空港駅
[ バス]
山陽電気鉄道・神戸山陽バス
清水が丘発着便
舞子高校発着便
神姫バス
三田市内発着便(特急38系統)
恵比須駅発着便(恵比須快速線)
西脇営業所発着便(西脇急行線)
神姫バス・淡路交通
洲本高速バスセンター発着便
福良発着便
高田屋嘉兵衛公園発着便
西日本ジェイアールバス・本四海峡バス・ジェイアール四国バス
徳島駅発着便
山陽バスと神姫バスの神戸空港便は海上アクセスターミナルから発着し、空港着、発いずれも空港ターミナルを経由する形式である。
[船舶]
海上アクセス
関西国際空港発着便(神戸-関空ベイ・シャトル)
セラヴィ観光汽船
神戸港中突堤発着便(ヴィラジオイタリア)
[土地利用・売却計画]
空港島の土地は、滑走路やエプロン、管制塔などの空港施設部分を除いて、すべて売却する予定であり、定価はおおむね1平方メートル当たり27万円である。しかし、旅客ターミナルや駐車場、貨物ターミナル、海上アクセスターミナルのいずれもが土地を購入せず、賃貸で営業しているなど、処分は進んでいない。
現在までに売却あるいは売却予定の土地は以下の通りである。
レンタカー用地。2系列3社(トヨタレンタリース神戸、同兵庫[8]、Fレンタカー)に合計0.3ha 開業時に処分。処分価格は定価の3割引。
西緑地。名古屋の結婚式場業者(ワールドブライダル)にラグーン沿いの1.17ha。2008年10月開業予定。0.3haを最初に購入し、残りは10年の期限で賃借。賃借期間中に購入を義務づけ。売却単価はいずれも定価を予定。
小型航空機機能用地。学校法人・ヒラタ学園(大阪府堺市)が約2haを分譲と賃貸で取得し、操縦士や整備士の育成、訓練飛行を行う予定である。
保管施設用地。港湾運送業の上組(神戸市)が神戸空港島に倉庫や事務所を建設し、同空港を利用した航空貨物を取り扱うことを検討している。約2haを分譲で取得する予定である。
なお、土地売却を促進するため、工費軽減で浮いた100億円の範囲において、定価の3割引から5割引で処分するという優遇策を2007年度から実施中である。
[その他]
滑走路長2,500mについては、国内線は飛行距離が短く、貨客が満載の状態でも燃料の搭載量が少なく離陸重量が軽いので、2,500mの滑走路でもボーイング747-400Dや777-300などの大型機が離陸できる長さである。ただし、米国西海岸や欧州などの長距離国際線を運航するには、燃料搭載量が増えるなどの理由から3,000m以上の滑走路長が必要となる。
2006年に公開された映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』では、開港前の神戸空港にある滑走路や管制塔でロケが行われた。また初代ウルトラマンの人間体・ハヤタが空港長を務めている設定だった。
神戸空港は、首都圏に大規模な災害が発生した場合の「被災地外広域搬送拠点」の一つとされている。2006年平成18年)9月1日の政府主催総合防災訓練において、神戸空港から自衛隊機C-1にて11医療チーム約55名の医療団が搭乗し、訓練会場である埼玉県入間基地で医療活動を行った後、広域搬送対象患者を収容のうえ、再びC-1輸送機で神戸空港に戻り指定病院へ搬送する訓練を行った。
開港後、数ヶ月の間に多数の見学者が訪れた。見学者数は開港1年で約214万人となった。
一方で空港島設置の影響で潮流が変化し、溶存酸素量の低下、青潮の発生など大阪湾の水質汚濁が引き起こされているという指摘が京都学園大学の讃岐田訓などによってなされている[9]。
空港島西側の人工ラグーンでは、漁船の網に掛かるなどして保護されたウミガメ6匹を一時保護し、治療するという試みが行われた。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア』

0