17歳-多感な時期である。社会的な立場など気にせずに行動できる。でも、経験が少ないため、失敗を恐れ、結局満足に行動できず、悔やむことも多い。ところが、いつの時代でも、どの歳になっても、青春時代として賛美されるのがこの時期である。
ニコラス・スパークス著” 奇跡を信じて”(アカデミー出版、2001)は、17歳のランドン・カーターとジャミー・サリバンの話である。高校生の2人は同じ高校に通っている。ジャミーは、牧師の父の影響で、いつも古ぼけた聖書を片手に持ちボランティア活動にいそしむ。成績も優秀で性格も明るい。ただいつも同じ格好で周りを気にしないので、同級生からはうわさの種になっている。一方、ランドンは平凡で、目立ってうわさの種になるのがいやな普通の青年である。2人は対極にあるように見える。
ダンスパーティーの相手のいないランドンが、相手がいないことで掃除係になったりうわさの的になるのが嫌でジャミーを誘った。
「私を本気で好きにならないでね。」勝気なジャミーの返事である。2人の関係は近づいていく。高校生が芝居をする田舎の町の恒例の劇の相手役を、主役のジャミーがランドンに頼むところから物語は急展開をみせる。表面的にしかものが見れなかったランドンが、ジャミーの内面を感じ、自分の愚かさを認識し、次第に彼女に愛を感じ始める。なんと表現が素晴らしいことであろう。1人の青年の成長物語が心地よく浸みてくる。
互いの大事さを認識したとき、ジャミーが病を告白する。
あの返事は悲しい意味が込められていた。最後の部分はこれでもかこれでもかと目頭に熱い気持ちを起こさせる。多少”世界の中心で愛を叫ぶ”に近いものがある(どちらが先に出版かは知らないが)が、主人公たちの心情描写が生き生きしていて、みずみずしい。結末はあえて述べないが、お勧めの本のひとつといえよう。
奇跡を信じて
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ニコラス・スパークスについて
1965年生まれ。処女作"The notebook"(
きみに読む物語)がニューヨークタイムズベストセラーに56週ランクされた話題の大物新人。第2作目Message in a bottle"はケビン・コスナー主演でヒット。第3作目が"A walk to remember"(奇跡を信じて)である。すでに印刷数260万部突破!ワーナーブラザーズが映画化権を獲得。
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