第1回個別ケア研究会in西三河発表会抄録
主催:NPO ひだまりねっと 共催:医療法人碧会 老人保健施設こもれびの里・高浜
協力:NPO 愛知排泄ケア研究会 NPO 愛知オーラルケア研究会
テーマ:「排泄障害の知識と実践報告」
開催日時:9月16日 (日)
12:30 受付開始
13:00 開 演
13:30 基調講演
「おしっこの悩み、ありませんか?」
医療法人 みのり会 きぬうら整形外科泌尿器科
理事長 加藤 隆範 先生
排尿障害といってもその症状には様々なものがあります。症状は大きく二つに分けることができ、ひとつは尿勢低下や尿閉など尿が出にくい排出症状、もうひとつは尿失禁や頻尿などの尿を膀胱に貯めておくことができない蓄尿症状です。また、尿失禁という症状だけでも、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性尿失禁などとさらに分けることができます。同じ症状でも原因になる疾患、病態の違いによりその治療法は異なります。今日は排尿障害を生じる主な疾患を紹介し、現在実際に外来で行っている診断方法・治療法についてお話したいと思います。
15:00〜16:30 排泄ケア実践報告会
現場実践発表(4演題)
15:00
『現場の排尿ケアは、直接的な関わりから』
社会福祉法人順明会 特別養護老人ホームジャルダン・リラ
発表者:桑島栄子 共同研究者:主任寮母 村上美奈 タウンリーダー:杉江伸介 黒崎 光
私どもジャルダン・リラは排泄ケアの問題点として、次の2つを挙げました。
その1は、排尿用具(オムツ、パッド)が増加している
その2は、勉強はしたが現場で排尿ケアの実践が進まない
この問題解決に職員がサークルで取り上げ実践しましたので、報告いたします。
事例により展開しました。対象者は、私たちブルータウンのY・K様としました。全介助で胃瘻、ストマ一造設の方です。以下の調査を進めました。
1. 排尿日誌(2日間)
2.「オムツセンサー(日本高度紙社製)」による排尿タイミングの活用
3.「ゆりりん(タケシバ電機社製)」による排尿パターン、
4.「プラッダースキャン(シスメックス社製)」による残尿測定
5.血液検査からデータ確認
6.排尿直後の目視確認
7.尿検査からデータ確認
等などを通じ、対象者の排尿障害について迫ろうと進めましたが、データからは排尿障害とは推定出来ませんでした。
しかし、この研究を通じご利用者の色々なデータを調べる過程で深く関わり、深くご利用者を知る機会となりました。
また、このような研究を通じ、排泄障害に関する機器の活用方法やその結果を学ぶ事が出来ました。
これから、当リラのご利用者の排尿問題にこの研究が大変役に立つ事となると感じます。
15:15
『排泄ケアマニュアルを実施して』
医療法人碧会 老人保健施設こもれびの里・高浜 報告者:3階介護職員 村上 由紀子
【対象者】A氏 88歳 女性 要介護度5
独居であり,当施設には病院から入所されている。その時には嚥下機能の低下から経口摂取できず,胃婁を造設し経管での栄養摂取をされている状態であった。また,立位保持も困難であり,ほぼ寝たきりの状態であり,紙おむつを使用されていた。おむつは定期的に交換していたが,毎回尿失禁はみられていた。
【下着の種類】
昼夜:紙おむつ+尿取りパッド(大)
【排泄管理実施の経緯】
A氏の精神面は非常にはっきりされており,意欲もあることから平成18年8月より,経口摂取に向けて嚥下訓練を開始する。排泄についても改善できないかと考え,排泄ケアマニュアルを用いて排泄日誌をつけることにした。
15:30
『人工尿を使ったオムツ体験学習』
特別養護老人ホーム 川口結いの家
発表者:鈴木 孝之
今回私たちがなぜこのようなことを行なったかと言いますと、施設にスーパーバイズをして頂いている先生の勉強会がきっかけとなりました。オムツは蒸れる、なるべく股間は涼やかにと…。
私たちは日々当たり前のように、利用者様の排泄ケアに『オムツ』を使用しています。『オムツ』は非常に便利なもので、小さなサイズから大きなサイズまでバリエーションに富んでおり、吸収量の多いものでは、1500ccを超える尿を吸収できる物もあります。通気性が良く、蒸れない、肌に優しいなど、オムツの性能や品質は日々進歩し、私たちケアワーカーの負担は軽減されてきました。
オムツは介護を提供する上で、無くてはならない物になっています。しかし、性能や品質を過信しすぎて、それを使用している利用者さんの『気持ち』は見落としていました。百聞は一見にしかずと言いますし、実際に体験することでその気持ちを見出してみようと取り組んでみました。
15:45
『夜間の排泄介助の取り組み』
医療法人碧会 老人保健施設こもれびの里・高浜
報告者:4階介護職員 柴田 徳美
【対象者】B氏 男性 73歳 要介護度3
平成17年7月に在宅で軽度の左半身麻痺が出現し,病院受診したところ脳腫瘍と診断される。主介護者が妻で高齢であり,介護負担軽減の為に当施設に入所される。
入所当時は左側へのつきそいで歩行はできていたが,現在では連動機能が低下してきており,体重も増加したことから歩行が困難になってきている。本人は無口であり,「自分でできる」という思いがある。その為,家族以外には頼らずに自分で行動しようとするので急に立ち上がりことがあり転倒の危険がある。夜間でもベッド柵を自分ではずし,転落したことが度々あった。
【下着の種類】
昼間:紙パンツ+尿取りパッド(小) 夜間:紙おむつ+尿取りパッド(大)
【排尿管理実施の経緯】
昼間はトイレでの排尿もあり,尿失禁はごく少量である。夜間は定期的におむつ交換をしているが,眠ってしまうと尿意も曖昧になり,尿失禁が毎回ある。また,寝つきも悪く0時〜3時頃にごそごそされて,ベッドで横になったままおむつをはずしたり,破ってしまい衣類やシーツが濡れてしまうことが多い。在宅でも本人が妻に対してトイレに連れて行くように強く言うので2時間毎にトイレ誘導をしているので,困っているとのことである。
介護負担軽減の為にも,良い方法がないかと思い排尿日誌をつけることにしました。
16:30〜17:00 商品紹介 及び 施設見学
次回のご案内
第3回 個別ケア研究会 in 東三河 のお知らせ
テーマ:「口腔ケアの知識と実践報告」
講師:池山豊子氏
(NPO愛知オーラルケア研究会・歯科衛生士)
開催日時:9月23日 13:00〜16:00
会場:社会福祉法人順明会 特別養護老人ホーム ジャルダンリラ
〒442-0201 愛知県宝飯郡音羽町大字萩 字上近久88番地