前にサイレンのことを随分けなしたことがある。 このゲーム、非常に人を選ぶゲームで、評価する人は最高ランクと最低ランクにはっきりと分かれてしまう。
けなす理由は実に簡単で、とにかく不条理・理不尽に難しい。 主人公はやたら弱くて敵の一撃で死ぬ。
しかもなにをすればそのステージをクリアできるのかは明記してあるが、その他のステージを開始するのに必要な行動は、ほとんど何も示されていない。 ヒントすらない場合が殆どだ。 しかも次のステージを開始するのに必要な条件は、とんでもなく理不尽な、全く何の関わりもなさそうな行動を取らなければならない。
更にマップはあっても、現在の方向は表示されるが位置は表示されないので、現在どこにいるのかがまるで不明。
攻略記事を書いていた方々は、いったいどうやってこの至難なゲームの進め方を会得したのか、不思議でならない。 ゲームの内容よりもこちらの方がよっぽど不可思議である。 何万回も死んで死んで死にまくって、会得したのだろうか? そうであれば途轍も無い時間を要したと思われる。 よほど自虐的な感性の人か、無限に近い忍耐力の持ち主でなければ不可能と思う。
褒める人の理由も又簡単で、とにかく怖い。 ライトをつけてさえ薄暗い夜の闇の中を、行き先もわからず彷徨う不安感、緊迫感と恐怖。 これは凄い。 その怖さは日本のホラー系ゲームでは飛び抜けている。
ストーリー的にはかなり矛盾したところもあり、又時間軸に沿った進展ではなく、バラバラの小さなステージが、順不同(本当はそうではないのだが)にちりばめられているので、全体像が掴みにくい。
これはストーリーの全体像や世界観から内容を把握してゆくタイプのゲームではなく、一つずつのステージの印象からセンシティブに受け止めてゆくタイプのゲームなのだろう。
最初にプレイした時の感想は、こんなバカ難しいゲームやってられるかというものだつたが、攻略集と職業的行動再開始のお世話になってようようクリアした後は、これはやはり傑作だというものだった。 終了した後でも、サイレンの世界のあの不気味な雰囲気が懐かしくさえ思われるのである。

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