血糖値下がらない人、アルツハイマー病にも注意
九州大教授らが研究
食後に血糖値が上がったまま下がらないなど糖尿病の危険因子を持つ人は、アルツハイマー病に特徴的な脳内のシミ「老人斑」ができやすいことが、岩城徹・九州大教授(神経病理学)らの研究でわかった。
食事や運動などに気をつけて糖尿病を予防すれば、アルツハイマー病の発症を防げるかもしれない。
福岡県久山町住民の長期追跡調査のデータを解析。1988年に検診を受け、98〜2003年に亡くなった男女135人(平均年齢79・5歳)について、糖尿病の危険因子と老人斑の関連を調べた。老人斑が見つかったのは88人。検診で食後の血糖値が下がりにくかった人は正常な人に比べ、老人斑が認められる割合が1・7倍多かった。老人斑ができやすい遺伝子の型を持つ人で食後に血糖値が下がりにくい人は、通常型遺伝子で血糖値が下がる人に比べ、38倍も老人斑ができやすかった。
(2010年9月5日 読売新聞)
糖尿病とアルツハイマー型認知症の関係は以前から知られていました。
アルツハイマー型認知症を発症する要因はいろいろあるようですが、「老人斑(アミロイドベータ)」が脳内に蓄積することがその一因と言われています。
今回の報告は、亡くなった方を解剖して、アミロイドベータが脳内にたまっているかどうかを確認したということになります。糖尿病の確定診断がなくとも、食後に血糖が高い方の場合は、アミロイドベータがたまりやすいということがわかったとのことです。
アミロイドベータがたまっているとアルツハイマー型認知症になる確率が高くなることがわかっています。
ただ、アルツハイマー型認知症の原因がすべてアミロイドベータというわけではありませんし、アミロイドベータが脳内に蓄積している方が全てアルツハイマー型認知症を発症するわけでもありません。
アミロイドベータができやすい遺伝子は確かに存在することが知られています。
その遺伝子を持っていると、アルツハイマー型認知症を発症する確率が、通常の遺伝子をもつ方より増加します。
その遺伝子の要因に、食後に血糖値が下がりにくいということが重なると、更にアルツハイマー型認知症の発症リスクが高くなるという結果だったようですが、その結果は論理的に納得できることです。
今回の結果により、食後に血糖値が下がりにくいということがアルツハイマー型認知症の発症リスクになることがわかりましたが、血糖値だけ気をつけていれば発症しないというわけではないということを補足しておきます。
該当の論文は、8月25日の米国神経学会(American Academy of Neurology)の学会誌(Neurology Journal- August 2010 Volume 75 Issue 9)で発表されたようです。
Welcome -- American Academy of Neurology
該当の論文は
"Insulin Resistance Is Associated With The Pathology Of Alzheimer Disease: The Hisayama Study ."
Abstractは確認できましたが、大したことが書かれてませんでした。
本体は、会員じゃないと閲覧できないようです。