【新型インフル】ワクチン234万人分、今月末に期限切れ 余剰の1億3千万人分に迫る使用期限
産経ニュース2010.3.21 21:30
新型インフルエンザの流行が下火となる中、スイス・ノバルティス社製の輸入ワクチン234万人分が今月末、使用期限を迎える。月内に使われなければ、廃棄される初の新型ワクチンとなる。ワクチンは国産と輸入を合わせると約1億3千万人分が余っており、今後も使用期限が来れば順次、廃棄される。危機管理として輸入分だけで1126億円もの公費が投入されただけに、国の判断には検証を求める声も出始めている。(蕎麦谷里志)
厚生労働省によると、今月9日までに新型ワクチンを接種した人は約2300万人。ほぼ全員が国産ワクチンを接種した。当初は、接種希望者が殺到し「足りない」と混乱した新型ワクチンだが、結果的に接種したのは国民の約18%。約30%が接種する季節性インフルを大きく下回った。
最大の原因はワクチン供給のタイミングが新型流行に間に合わなかった点にある。さらに、2回接種の予定が途中で原則1回に変わったことも、ワクチン余剰に拍車をかけた。
その結果、現在は国産約3100万人分と輸入約9900万人分の計1億3千万人分が余った状態となっている。
ワクチンにはすべて使用期限がある。短いのがノバルティス社製で、製造から半年間。それぞれ製造時期が異なるため、今月末に234万人分が期限を迎え、今夏には同社の2500万人分がすべて使えなくなる。国産は使用期限が半年と1年のものがあり、今年4月から順次、期限切れが出始める。
輸入ワクチンの残り7400万人分をしめる英・グラクソ・スミスクライン(GSK)製のワクチンは使用期限が1年半と比較的長め。厚労省は「再流行した場合や来季にも使える」と期待する。しかし、来季は季節性と新型を1本に混合した新しいワクチンが登場するため、新型だけのワクチンを接種する人は限られる可能性が高い。
厚労省では現在、輸入ワクチンについてメーカー側と一部を契約解約できないか交渉中。すでにドイツやノルウェーなどはGSKと契約したワクチンの約3割を解約することで合意している。
ワクチン輸入に使われた税金は1126億円。厚労省は「危機管理上の判断だった」と強調している。ただ、元北海道小樽市保健所長で、インフルに詳しい外岡(とのおか)立人(たつひと)氏は「今回のように季節性と毒性が大きく変わらない新型インフルで、これほど大量のワクチンが必要だったのか。今後の検証が必要だろう」と話している。
新型インフルエンザワクチンの在庫に関する情報です。
需要が供給に追いつかないときには、当然品不足になっていました。
国内製造分だけでは足りないと判断して、輸入に頼り、それを特例承認によって承認したにもかかわらず、輸入が決定されたのはすでにピークを過ぎた時期でした。
当初、新型インフルエンザワクチンの正体がつかめずに、すごく警戒しすぎていた感もありますが、それは今考えればということであって、あの騒ぎの中ではどうだったんでしょう。
正体がよくわからないものを考えるときには、もっとも悪いことを予想して動くということが鉄則ではないかと思われます。
接種回数も紆余曲折がありましたが、臨床試験の結果を見て判断したためにそうなってしまったわけで、これも仕方のないことかと思われます。
結果的に新型インフルエンザの毒性がそれほどではなかったということですが、そうわかりつつあったときも、毒性が弱いと楽観視してはいけないという風潮があったかと思います。
固め固めに行って、それで軽い方向になり、用意したワクチンが無駄になるということですが、逆に軽め軽めに考えてしまって、毒性が強かった時を考えるとぞっとします。
もったいないけれど、そのようなリスクを考えればワクチンの期限切れは仕方なかったのかなとも考えられます。
厚労省を擁護するわけではありませんが、最小の行動と最大の利益との接点は難しいのだと思います。
十分な検証を行い、次回同じようなことがあった場合は、なるべく無駄がなく効率的なワクチンの運用がされることを望みます。
もう一点言及すべきことは、「輸入ワクチンについてメーカー側と一部を契約解約できないか交渉中」と記事に書かれていますが、ずいぶん前からずっと交渉中であるような気がしています。
この点は、早期に決着できればいいのですが・・・
また、新型インフルエンザは終息の方向に行っているような気がしますが、ひょっとしたら再燃するのではないかという懸念もぬぐいきれません。
再燃したら、またワクチンは大量に必要となりますが、ここら辺の判断は難しいですね。
インフルは終息したのか 警戒態勢に悩む自治体
asahi.com(朝日新聞社)2010年3月20日11時23分
新型の豚インフルエンザは終息したのか――。研究者らが慎重に推移を見守る一方、都道府県は国の対応に注目する。警戒態勢を解かずに第2波に備えるのか、いったん緊張を緩めて新たな体制づくりをするのか。政府の動きや研究者の発言をにらみながら、選択の道はさまざまだ。
国立感染症研究所の調査では新型インフルの流行による患者数は11月下旬にピークを迎えた後に減少。19日の調査結果では2週連続で流行水準を下回ったが、季節性インフルならまだ流行シーズンのはずで、新型の再燃への懸念も残っている。
しかし、地域で医療に携わる自治体にとって、住民にずっと警戒するよう呼びかけ続けるのは難しい。感染への注意を促すインフルエンザ警報は、発令した自治体の約6割にあたる約20自治体が解いたのに加え、知事をトップに据え、自治体や医療機関、企業や学校の連携を支える「インフルエンザ対策本部」を解散させる県が出てきた。