「医薬品業界の2010年問題」という言葉をご存じでしょうか。
コンピュータの2000年問題はとりあえず何事もなく過ぎていきましたが、医薬品の2010年問題はかなり深刻な問題です。
昨日(2010年3月13日)の夜、興味深いテレビ番組が放送されていました。
NHK 追跡!AtoZ - 毎週土曜 午後10時放送 [総合テレビ]
そこでまさに医薬品の2010年問題が取り上げられていました。
2010年問題(にせんじゅうねんもんだい)とは、医薬品業界において2010年前後に大型医薬品の特許が一斉に切れ、各メーカーの収益に重大な影響をもたらすと懸念されている問題である。
2010年問題 - Wikipedia
新薬を開発する先発の製薬会社は、特許があるうちは独占してその薬を製造・販売することができます。
しかし特許が切れて、後発医薬品(ジェネリック薬)が後発品メーカーで作ることができるようになると、先発の薬は売れなくなります。
それは後発医薬品の方が薬価が安いからです。
患者さんにとっては、薬の値段は安い方がいいに決まっています。
厚生労働省としても年々高騰する医療費を抑えたいという気持ちがありますので、後発医薬品の使用を推奨しているということです。
製薬会社にとってはドル箱の新薬があって、それが企業の利益の1/2とか1/3とかある場合があり、その薬に後発品ができるということは、その企業にとっては大打撃になるわけです。
そんな流れがありますので、先発医薬品メーカーとしては次から次へと薬を開発して、申請・承認を受けて、新薬として販売していくことが生き残りの絶対条件だと言えます。
そして一番の問題としては、先発メーカーが新薬で利益が出てこないことにより、新たに薬を開発する資金がなくなるために、開発を始めるのが難しくなるということです。
製薬会社は慈善事業をしているわけではなく営利企業であるので、利益が少なくなれば新たな展開はできないということになります。
これは新薬を待ち望んでいる患者さんにとっては、厳しい現状であると言えます。
以上、昨夜の 追跡!A to Z「新薬が生まれない?」を見ての備忘録です。
昨日、生出演されていた佐藤健太郎さんの新書、
Amazon.co.jp: 医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書): 佐藤 健太郎: 本にはもっと深い示唆が含まれています。
私もまだ読みかけなのですが、ご興味のおありの方は是非一読を。
【関係ページ】
2009/9/1「ドラッグラグは本当になくなるのか?」
http://hello.ap.teacup.com/d-inf/1929.html
2008/4/21「ドラッグラグが起きている本当の理由」
http://hello.ap.teacup.com/d-inf/1444.html