臓器移植法改正、小児の判定基準検討へ…厚労省
脳死を「人の死」とすることを前提に臓器提供の年齢制限を撤廃する改正臓器移植法(A案)が13日、参院本会議で可決、成立したことを受けて、厚生労働省は、15歳未満の脳死判定基準や臓器提供の意思表示方法などの検討に着手する。
A案の参院本会議採決は、賛成138、反対82、棄権・欠席20。共産党を除く各党は採決で党議拘束をかけなかったが、自民、公明、国民新、改革クラブは賛成が多数を占め、自民党では82・7%(67人)に上った。これに対し、民主党は賛成が42・6%(46人)だった。
改正法の成立により、1997年成立の現行法下では禁じられている15歳未満からの臓器提供に道を開くことになる。現行の脳死判定基準は6歳以上が対象で、6歳未満については、2000年に公表された旧厚生省研究班の基準案がある。厚労省は新たな研究班を近く発足させ、この基準の妥当性を検討するほか、6歳以上15歳未満の脳死判定基準が現行法の基準でよいかどうかも検証する。
また改正法は本人が拒否しなければ、家族の同意で臓器提供が可能になるため、厚労省は拒否の意思を把握する仕組みも検討する。小児の意思表示をどのように取り扱っていくかも、1年後の改正法施行までに詰める方針だ。
(2009年7月14日 読売新聞)
| 脳死の位置づけ | 提供条件 | 15才未満の子どもからの臓器提供 | その他 |
| 改正法 | 脳死は「人の死」を前提とする | 本人の生前の拒否がなければ家族の同意 | 年齢制限撤廃 | 親族への臓器優先提供 |
| 現行法 | 臓器提供時に限り「人の死」とする | 本人の書面による意思表示と家族の同意 | 禁止 | --- |
衆院に引き続き参院でも改正臓器移植法がA案で可決しています。
なんとなく国会の「解散」の二文字がちらついてしまって、とりあえず法案を通してしまえという雰囲気がありはしなかったでしょうか?
十分な審議がされたのだろうかということが気がかりではありますが、いよいよ国内でも本格的な臓器移植をはじめる足もとが固まりつつあるのかと。
ただ法案は通ったものの、15歳未満の脳死判定基準や臓器提供の意思表示方法など検討課題は多いかと思われます。
成人であれば運転免許証や保険証に臓器提供の意思を記載する欄を設けて、そこに意思表示をしてもらうということが考えられているようですが、子どもはどうするか・・・です。
第三 普及・啓発に係る事項
国及び地方公共団体は、国民があらゆる機会を通じて移植医療に対する理解を深めることができるよう、移植術に使用されるための臓器を死亡した後に提供する意思の有無を運転免許証及び医療保険の被保険者証等に記載することができることとする等、移植医療に関する啓発及び知識の普及に必要な施策を講ずるものとすること。
また小さい子に判断させようとしても難しいのかもしれません。
「脳死になったら自分の臓器は提供したい?」と聞いても訳がわかりませんよね。
たぶん親の考えが前面に押し出されることになるのだろうと想像できますが、そこをどのように考えるのか・・・
ひょっとしたら、東南アジアあたりにあると言われている臓器売買にはつながらないのだろうか・・・
きっとそこら辺は考えられていることと思います。
第五 検討
政府は、虐待を受けた児童が死亡した場合に当該児童から臓器が提供されることのないよう、移植医療に係る業務に従事する者がその業務に係る児童について虐待が行われた疑いがあるかどうかを確認し、及びその疑いがある場合に適切に対応するための方策に関し検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。(附則第五項関係)
1年後の施行までにそこら辺の問題を詰めなければなりません。
自分が脳死になったとしたら・・・ということをそろそろ考え始めなければなりません。
それは国民一人一人が、です。
私だったらどうしましょうか・・・。
もし使い物になるのであれば、という大前提がありますが、誰か困っている人のお役に立つのであれば提供したい気があります。
家族が脳死になったとしたら・・・
1年の間に、それぞれの意思でどうしたいかを考えてもらって、それぞれの考えに任せたいと思います。
衆法 第164回国会 14 臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案
臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案要綱
第一 臓器の摘出要件等の改正
一 医師は、次のいずれかに該当する場合には、移植術に使用されるための臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。)から摘出することができるものとすること。(第六条第一項関係)
1 死亡した者が生存中に当該臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合であって、その旨の告知を受けた遺族が当該臓器の摘出を拒まないとき又は遺族がないとき。
2 死亡した者が生存中に当該臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合及び当該意思がないことを表示している場合以外の場合であって、遺族が当該臓器の摘出について書面により承諾しているとき。
二 臓器の摘出に係る脳死判定は、次のいずれかに該当する場合に限り、行うことができるものとすること。(第六条第三項関係)
1 当該者が一の1の意思を書面により表示している場合であり、かつ、当該者が脳死判定に従う意思がないことを表示している場合以外の場合であって、その旨の告知を受けたその者の家族が当該判定を拒まないとき又は家族がないとき。
2 当該者が一の1の意思を書面により表示している場合及び当該意思がないことを表示している場合以外の場合であり、かつ、当該者が脳死判定に従う意思がないことを表示している場合以外の場合であって、その者の家族が当該判定を行うことを書面により承諾しているとき。
第二 親族への優先提供
移植術に使用されるための臓器を死亡した後に提供する意思を書面により表示している者又は表示しようとする者は、その意思の表示に併せて、親族に対し当該臓器を優先的に提供する意思を書面により表示することができるものとすること。(第六条の二関係)
第三 普及・啓発に係る事項
国及び地方公共団体は、国民があらゆる機会を通じて移植医療に対する理解を深めることができるよう、移植術に使用されるための臓器を死亡した後に提供する意思の有無を運転免許証及び医療保険の被保険者証等に記載することができることとする等、移植医療に関する啓発及び知識の普及に必要な施策を講ずるものとすること。(第十七条の二関係)
第四 施行期日
この法律は、公布の日から起算して一年を経過した日から施行すること。ただし、第二は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行すること。(附則第一項関係)
第五 検討
政府は、虐待を受けた児童が死亡した場合に当該児童から臓器が提供されることのないよう、移植医療に係る業務に従事する者がその業務に係る児童について虐待が行われた疑いがあるかどうかを確認し、及びその疑いがある場合に適切に対応するための方策に関し検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。(附則第五項関係)