同意得ず臨床試験の疑い 国立循環器病センター担当医師ら調査へ
MSN産経ニュース2008.12.17 01:31
国立循環器病センター(大阪府吹田市)が、患者側から同意を得ずに最新型の補助人工心臓の治験(臨床試験)を行っていた疑いがあることが16日、分かった。同意書は意識不明だった患者に代わって家族が提出した。が、家族は「内容を理解(納得)する事は出来ません」と明記し、不同意の意思を口頭でも伝えた、と訴えている。センターでは担当医師らから事情を聴くなど調査に乗り出す。
患者は当時18歳の男性。心臓移植以外に助かる道がないとされる拡張型心筋症で、昨年春にセンターに入院した。センターは本人の同意を得て補助人工心臓の装着手術を行った。しかし術後、約2週間で容体が急変。一時、心肺停止となり緊急手術を受け蘇生(そせい)したが、脳へダメージがあり、意識不明のまま約1年後の今年春に死亡した。
患者の両親によると、男性が意識不明になった後の昨年秋と今年2月、患者家族に対し、センターが治験継続の同意書に署名を求めた。昨年秋は母親が本人の署名を代筆したが、今年2月は、補助人工心臓装着の副作用として、脳血管障害が報告されたため、母親が「今回のこの文書に記された内容を理解(納得)することはできません」と記して提出し、口頭でも同意の意思がないことを伝えた。しかし、担当の治験コーディネーターや治験責任者の医師は真意を母親らに確認しないまま、治験が継続されたという。
今回の補助人工心臓は「エバハート」という国産の体内植え込み型補助人工心臓。日本で初めて、平成17年から国内で治験を開始し今年8月に終了。現在は承認申請の段階にある。
別の病院で同じ治験に参加した心臓外科医は「治験を進める上で同意を得るのは最低限のルール」と今回の説明不足を指摘。同意書に関しても「これを同意とするのは無理で、再度同意をとるか、2月の時点で治験をやめるべきではなかったか」と話している。
産経新聞の取材に対しセンターの友池仁暢病院長は「院内の治験審査委員会では、このような不同意と思われる事案の報告は私の知る限りなかった。今後調査する」と話している。
いろいろなメディアで大々的にとりあげられています。
個人的にこの件を取り上げるべきかどうか非常に迷いました。
知らんぷりしていた方がいいのかもわかりません・・・
いろんな面でリスキーですし・・・
でも、治験で人体実験と書かれたら、取り上げなければならないと思いました。
うちでは医療機器の治験はあまりないですが、医薬品の治験はやっていますし、同じナショナルセンターでもありますし・・・
また今週号の週刊文春にも取り上げられていました。
新聞広告で気になったので、病院の売店で買って読んでしまいました。
結局なにが起こっているのか新聞や週刊誌の記事だけではなかなか本当のことがわかりません。
マスコミは得てしてこの手の話題をセンセーショナルに書きたがるものなので・・・
この件のことはマスコミ報道でしか知り得ないので、その情報のみを見てコメントすることは非常に危険だと思いますが・・・
大まかに見て、医療機関側と患者さん側で行き違いがあったのだと思われます。
患者さん側には医療不信が根底にあるように思います。
患者さんが植物人間となって1年後に亡くなってしまったという最悪の結果ということもあるでしょうし、治験に入る前や入った後のインフォームド・コンセントが適切に行われたかどうかということも気になるところです。
患者側の立場としたら、一度不信感を抱いてしまったら、全部を悪い方にとってしまいます。
一般的な話をすると、まだ未承認の薬(医療機器)の治験に、患者さんを無理矢理入れてはいけません。
現実的に、患者さんがわかっているかどうか把握できかねることはままありますが、そのような場合は無理強いしてはいけないです。
あくまで治験は、患者さんに十分納得していただいてから始めるものですし、一度同意されてもいつでも撤回することができます。
この件の切り口が、医療事故であるのか、治験の無理強いなのか、どうもよくわかりません。
医療事故であるというようにも見えますし、それが医療機器の治験がらみだったということで、人体実験というような書かれ方になっているのだと思われます。
事の真相は次第に分かっていくことだと思います。
しかしながら、この報道を知って治験に関わる端くれの立場として思うことは、この報道をみられた患者さんたち、一般の人たちが「治験って怖いもんなんだ」という意識が強くなると困ります・・・
新しい医薬品や医療機器の承認には、治験の段階を経てデータを取らないと、承認の申請ができませんから、ただでさえ日本の治験は遅いと言われているところに、このようなことがあってみんなが治験を敬遠されることがないように切に望みます。
福島の産婦人科医療訴訟後に、リスクの高い医療は敬遠されるということがありましたが、同様に治験はなるべく避けようという雰囲気が医療従事者の間で思われたら、治験に関わっているものとしてはとても嫌です。
いまのところ、こちらでニュース映像がみることができます。
「未承認の補助人工心臓、患者が死亡」 News i - TBSの動画ニュースサイト
MSN産経ニュースでは問題の同意書が公開されています。
【国循の不同意治験】母親「納得できぬ」変わり果てた姿…説明なく (1/2ページ) - MSN産経ニュース