「ノイロトロピン+メチコバール入り点滴で何が起こった?」
医療ニュース
三重・伊賀の点滴被害:点滴薬剤作り置き 「院内感染」強まる
三重県伊賀市の診療所「谷本整形」で点滴治療を受けた患者らが腹痛、発熱などの症状を訴え、1人が死亡した問題で、診療所の谷本広道院長は11日、診療所の院内感染防止マニュアルに違反して看護師の一人が点滴薬剤の「作り置き」をしていたことを明らかにした。発症との因果関係は分からないという。三重県は「明確な規定はないが、衛生面から長時間の作り置きは問題がある」としている。
三重県と県警は点滴が原因の院内感染が起きたという見方を強め、点滴に使うアンプルやチューブを研究機関に送るなど原因を調べている。また作り置きが点滴のどれくらい前に行われていたかについて診療所側から事情を聴く方針。
三重県と県警などによると、これまでの診療所への聞き取りなどで▽点滴に使った鎮痛薬「ノイロトロピン」などのアンプルは調合済みのものが使われ、濃度や量を間違えた可能性は低い▽人為的に毒物などを入れた形跡は現時点では見つかっていない▽50人以上の患者が点滴を受けているのに、発症者は60〜80歳代の体力の落ちた高齢者に集中−−などが判明。点滴で細菌感染が起きたとの見方を強めた。
一方、同県の名張市立病院でも10日夜、谷本整形で点滴を受けた70代の男女2人が体調不良で入院していたことが新たに分かり、患者は計16人となった。
谷本院長は11日会見し「申し訳ない」と謝罪。約2年前にも点滴後に症状を訴えた患者が2例あったことも明らかにした。
毎日新聞 2008年6月11日 東京夕刊
昨夜のニュースでこのことを知りました。
ノイロトロピンとメチコバールを生食に混注して投与していたとのこと。
ニュースを聞いた瞬間、ノイロトロピンとメチコバールの相互作用や配合変化などを考えたりもしましたたが、そんなことはないでしょう。
ノイロトロピンとノイトロジンとの間違え?とも思いましたが、整形外科の診療所でノイトロジンが置いてあるとは思えないし、なによりもノイトロジンであれば白血球数を上げるのであっさり却下です。
・・・考えが浅はかでした。
記事中の記載からは、ノイロトロピンとメチコバールはモノも量もちゃんと入っていたようです。
どうやら予めつめておいたということで感染が起こったらしいとのこと。
9日に患者を受け入れた上野総合市民病院では10日夜、村山卓院長らが記者会見し、何らかの感染症が原因である可能性を示唆した。患者はいずれも発熱と悪寒を訴え、通常血液1マイクロリットル中3500〜9500個ある白血球が、600〜3000個に減少していた。
毎日新聞 2008年6月11日 中部朝刊
報道によると、点滴の1、2時間後に腹痛や発熱、嘔吐(おうと)、ふるえなどを発症したとのことですが、細菌性感染の場合、白血球は上がるのが通常だと思います。
細菌と戦うために白血球が増えるからですね。
麻疹や風疹、水痘などのウイルス感染症では白血球が下がりますが・・・
敗血症ショックが起きた場合白血球は下がりますので、そのような状態になっていたのだと考えるのが普通ですね。
1日300人を診察していて、100人以上の患者さんにノイロトロピン+メチコバール入りの点滴をしていたそうです。
1日300人を診察するということは、開業医では脅威の数字ではないでしょうか。
これだけ多いと、作り置きも致し方ないかとは思われます。
報道によると、朝10個程度の作り置きをしたとのことになっていますが、そんなことでこれほどひどい症状になることはないかと考えます。
しかしながら、なぜこのようなことが起こったのでしょうか?
想像でものを言ってはいけません。
捜査の結果を待ちたいと思います。
昔、看護師さんがヘパリンと生食(ヘパ生(へぱせい)と言っていました)の混合したものを作り置きしておいたところ院内感染が起きて、その後作り置きはせずに予め混合した製剤が販売されたのは記憶に新しいところです。