2009/9/6
ボブ・ディランのニューアルバム”Together Through Life”、最近の彼に珍しいスタジオ録音盤ということもあって聴いてみました。
ティーンエイジャーの頃、同時代の多くの人たち同様ボブ・ディランに夢中でした。
担任の抜き打ちチェックでカバンに忍ばせていた“Jhon Wesley Harding”の輸入盤を見つけられてしまい職員室で大目玉を喰らったことも。
英語専攻だった担任は、それでも「これ、なかなかいい詩じゃないか」とお説教のあと私を笑わせてくれた・・・今では懐かしい想い出です。
思えば“New Morning”あたりが最後だったでしょうか、徐々にディランから離れていった私。
別にディランを嫌いになったわけでもなく、単に他のジャンルに関心が移っていったためでした。
さて”Together Through Life”はブルースアルバム、それも絵に描いたような典型的なブルースアルバムです。全曲は一貫してゆったりとしたスロー〜ミディアムテンポ、変哲のないブルースコードに支配されており、ディランの枯れた声、そしてアコーディオンをはじめとするアコースティック楽器の素朴なバック演奏と相まってシンプルながらいい味を醸し出しています。
とりわけオリヴィエ・ダアン監督作品「マイ・オウン・ラブソング」のために書かれたという’Life Is Hard’は疑いようもない珠玉の一曲ではないでしょうか。
けれど、、、、
このアルバムを聴いていて、どこか満たされないものが残ったのも事実でした。
私の知っていた、あのボブ・ディランがどこにもいない!
もちろん才気溢れる初期の独創的な音楽とこの枯れたブルースアルバムを比べること自体、的外れで無粋な行為であることは承知しているつもりです。
それでも、“Together Through Life”には何かあまりにも当たり前すぎる、退屈さが感じられてしまいます。
「メンフィス・ブルース・アゲイン」、「アイ・ウォント・ユー」、「ライク・ア・ローリングストーン」、「寂しき4番街」、「ジャスト・ライク・ア・ウーマン」、「スーナー・オア・レイター」、そして「ミスター・タンブリンマン」、、、、眩しいほど煌めいていて、瑞々しく感傷的なまでのリリシズム、、、若き吟遊詩人ボブ・ディランは、あまりにも遠くに行ってしまった。
自らの過ぎた日々を想うように、今は、失われたディランの若き日の輝きを懐かしむほかないのでしょうか・・・
[DATA]
BOB DYLAN「TOGETHER THROUGH LIFE」
Sony Music Japan SICP 2237
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