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2011/1/18

新卒者の内定率の誤解をとく。  日記

今春大学を卒業する新卒者の就職内定率は12月1日時点で68.8%と96年の調査開始以来過去最低を記録した。10月1日時点での58%に比べると10ポイントアップして改善しているかに見える。しかし、上武大学教授・田中秀臣氏がツイッター上で繰り返し指摘しているとおり、この期に及んで内定率の数字にあまり意味がない。つまり、分母の就職希望者がギブアップ等によって減少しているからだ。

ところで、日本はまだましな方で、米国の新卒の就職率は24%(英国は15%)だそうだ。米国の場合、新卒一括採用という制度はなく、役職、つまりポジションごとに応募する形だ。したがって、新卒者は、エントリーレベル(新米レベル)に応募するわけだが、既卒者や入社1〜2年でレイオフされた求職者と競うわけで狭き門となる。リーマンショック前はそれでも50%前後の就職率だったが、ショック後は新米枠が削減されて新卒の約4分の1しか就職できないのが現状だ。

また、中小企業の求人倍率は高いので未内定者は中小企業を狙えという議論がある。しかしながら、中小企業は求人倍率が高いとはいっても、実は空求人というのも実際にあるそうだ。求人しても採用しないのである。その理由はいろいろあるが、一つは求人倍率を上げるためにハローワークに頼まれて、必要ないのに求人だけするケースもあるようだ。いずれにせよ、中小企業にとっては余裕で雇える会社は少ないわけで、不況期に旺盛な労働需要があると考える方が不自然ではないか。

内定率の問題は東大や早慶等にも影響があるが、より影響が大きいのは中堅の大学とそれ以下の大学だろう。asktakaの教えている大学は偏差値で50前後だが、内定率はほぼ平均並みだ。講義の際に、時々就職の話題もするが、asktakaは、競争戦略のフレームワークを自分のケースにあてはめて就活に応用しろと言っている。つまり、学生は自分の偏差値、相対的ポジションを知っているので、自分の強み、得意分野や専門性で勝負しろと言っている。そして、講義終了前の出欠を兼ねたメモに10分間で「諸君の就活における競争戦略は何か」を書かせている。大体3分の1はしっかり書けている。たとえば、「自分は中国語に注力して差別化したい。そして会計、ファイナンスの知識も実務で使える程度に習熟したい」「英語はTOEICで850点以上を目指す。さらにプレゼン能力で他者と差別化したい」等々。次の3分の1はまぁまぁで、やはり内定が出るのはこのレベルまでかな。残りの3分の1はピンボケでなかなか難しい、とこんな感じだ。

内定率を上げる、雇用問題を解決するには、政府が景気回復の有効な手を打つことが肝要だ。このまま愚策を続けると日本は世界で取り残されるという懸念がある。現にOECDや世銀などの予測を見ても先進諸国の中で日本の成長率が一番低く予測されている。

マクロ経済には期待できないので、個々の企業が頑張ってもらうしかない。企業は政府に頼らずに新しい試みを実践する、これしかないと思う。実際政府は当てにできないので、企業は海外に活路を見つけるとかいろいろ手を打っている。とすると、ますます企業間格差が拡大する。80年代半ばのように背中が見えていた業界トップが尻尾しか見えなくなったということになりそうで、この差は海外展開の差である。となると国内雇用拡大には限界があるわけで、これも悩ましい話でドツボにはまる。

増税、利上げで景気回復などと、奇想天外な経済政策を実施しようとしている日本政府は、このままでは世界の笑いものになる。そうならないうちに早く政権交代するか、まともな経済政策、景気対策を考えるセンスのあるトップに変えてほしいものだ。景気が回復し、成長軌道に乗れば、高成長は望めないにしても雇用問題も自ずと解決する。

注:本エントリーはasktakaの友人のブログへのコメントに基づき加筆修正しています。

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タグ: 新卒 内定率



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