2013/5/14

「犬を飼う」谷口ジロー著  

谷口ジローときくとつい頭のなかで「ゴロ〜」と鳴ってしまうほど「孤独のグルメ」がヒットしていますが、コミック誌を中心に小説的劇画といってよい芯のある作品を発表し続けている人気漫画家。

表題の「犬を飼う」は谷口氏が91年に発表した作品で、自身が飼っていた実在の犬を通して感じた日々を元に描かれた人情味あふれる漫画です。

単に老犬タムの老いていく姿を描くだけではない、そこに通じる人間と犬との愛情、人間通しの愛情や、犬と暮らしてきた時間の移ろいなどまさにドラマがそこにあります。

トロ姉さんの愛犬「プー」も長寿(17歳)であったものの晩年の1年間はタム同様、寝たきりとなり食事の世話、排泄、床ずれのケアなどまさにこの漫画とドンピシャで重なります。

すでに結婚して実家と離れて暮らしていたため、日頃の世話は義母が昼夜問わず対応していました。
最期は義母の腕に抱かれたまま息絶えたと聞いています。
野良犬の子供として生まれ、トロ姉さんに引き取られ、プーの成長とともに街もバブル景気で風景は激しく変わっていきました。子供のころに遊んだ野原もビルに変わり、トロ姉さんの結婚など家族の風景もかわりゆくなかで、家族を見守ってきたプー。

この漫画を見ているとそんな記憶がビビッドに蘇ってくるのです。

ただ、この漫画を電車のなかで読み進めるには無理があります。
涙腺がゆるんでしかたない。

自宅でゆっくり読むことをおすすめします。


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2010/5/11

けっこう感動した!  

沖縄だ奄美だと迷走しまくって支持率を落としている鳩ポッポさんだけど、もしこのまんま選挙ではボロ負けだろうなぁ。
意外と策士だとしたら、隠し玉をどこかで爆発させて、いつぞやの小泉さんのような劇的展開を見せるのでしょうか?
ま、どっちにしても基地はいらんだろう。どう決着がつくのでしょう?

さて、腰をいためてはや1週間がすぎ、少しづつ回復の兆しだけど、まだ痛みが。
でもこの週末も整体治療。

腰を痛めたついでに、休みがてら本を読みました。
昨年暮に発売され、なお売れ続けている経済本「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」です。

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これねぇ、意外といけますよ。表紙は萌系ですけどね。
かなり感動しました。経済本で感動する、ってすごいと思う。
ドラッカー音痴だった僕も、感化されますもの。
こりゃちゃんと読んでみなくっちゃいかんかなぁ、って思わず同社のエッセンス版を手にとって考えてしまいました。
ドラッカーの入門本も数多くあるなかで、まずは最初の一冊としてはいいんじゃないですか?
自分のおかれている状況や、会社のこと、などあらためて振り返って課題や解決方法について、いろいろ考えさせられましたよ。
経営の叡智をドラッカーに学び、人としての徳を孔子に学ぶというのはいいと思う。

今の会社なんか経営理念もビジョンもへったくれもないからね。
とにかく売上あげろ、しか繰り返さない。
この1冊、まずはうちの社長に必読かもしれないね。

今更遅いけど(笑)
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2007/7/12

さっぽろ喫茶店グラフィティ  

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アマゾンで注文してから数ヶ月、ようやく届きました。

さっぽろ喫茶店グラフィティー

これは70〜80年代あたりを札幌で青春時代を過ごした人には、とっても懐かしい店が紹介されています。
まさに喫茶店文化華やかりし時代、そして街。

僕はちょうど中学から高校。さすがに中学時代は遠慮していたので、高校3年間で出入りした思い出深い喫茶店の数々が懐かしい写真やインタビューとともによみがえります。

文中にしか紹介されていないお店もいっぱいあって、個人的にはどうして「ぽっと」や「ケーシージョーンズ」や「楽屋」がないのかって不満を上げたらきりないですけどね。
でも、限られた連載期間、誌面のなかでその時代、若者像、サブカルといったものが整理されていて、あらためてあの時代の空気みたいなものを感じることができた、うれしい一冊でした。

もし大学も地元に通っていたら、もっとリアルに感じるところもあったかも。
もちろんここに紹介されていなくても、当時の自分たちには思い出深い店が沢山あったはず。名も無き店でも我々には大切な喫茶店が町中にあふれていました。

この本のなかで「北地蔵」という札幌の老舗の主人が語る言葉にじんときました。
「街道に桜並木があるように、カフェが通りの街灯りのひとつになれば」

今度札幌に帰るときは、ちょっとこの本片手に散策してみようかな。
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2006/12/28

核という存在  

最近、ノーベル賞候補だからってわけではないけど、村上春樹の本をまとめ読みしてます。
昔アルバイトしていた神保町のジャズ喫茶のウェイトレスだった人が彼の奥さんだってきいたのは随分あとになってからですが、音楽や映画への造詣はもしかしたら、このジャズ喫茶が重要だったりして、って想像しちゃうと楽しくなります。

で、春樹じゃなくてちょっとヘビーな本を一気読みました。

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「朽ちていった命―被曝治療83日間の記録」

これは東海村の核燃料加工施設でおきた臨界事故についてのドキュメントです。

まだ読んでない方、お勧めします。

核とか放射能とか、原発とかってなんかわかったような気がしていながら、よくわかってないんですよね
特にそれが人体にどんな影響を与えるのか、ということが。

この本では被害者の治療にあたった医療現場の取材によって、放射能被害の影響を鮮烈なまでにあぶりだしています。

負けの見えている戦いに望んだ医師、看護婦たちの苦闘と苦悩、一縷の望みをもすてない家族たちの愛情、さらに「モルモットではない!」と叫ぶ被害者の大内さんの姿をみごとにとらえています

読んでいるうちに息苦しさを覚えるくらい、放射能の怖さが伝わってきます。
人間には到底太刀打ちできない、暴走する放射線被害。
この前には我々は結局無力でしかない。

この本では核の是非とか、原発の是非を問うているわけではありません
しかし人間一人の命、というなにごとにも代えがたい尊い存在を通して、我々に問題提起をしていることは明らかです。
ひいては人とはなにか、命とはなにか、という根源に対する問いかけ。

唯一の被爆国、というキャッチが日本にはついてまわりますが、チェルノブイリを初め、アメリカやビキニ環礁、その他世界では核兵器、原発による被害者は数多く存在していることを忘れてはいけないですね。

そしてその人たちにどういう惨事がおきているのか、おこっていたのか、もう一度広島、長崎をふくめ、自分の問題として考えていかなければいけない時代になっているんだってことも。

シンゾー君とかナカガワ君とかに、ぜひ読んでほしい!
大内さんの死を無駄にしないために、けして風化させてはならない事故であることは間違いない。


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