わが国の専門家委員らのコンセンサスにより,高齢患者における不適切な薬剤処方の基準が示された.したがって,この基準は法的な拘束力を有する,あるいは厳格に遵守されなければならないというものではない.
(中略)
この基準はすべてを網羅する基準ではなく,また絶対的な基準でもなく,掲載された薬剤は使用禁止というものでもない.掲載された薬剤は,高齢患者において副作用が著しく,代表的であり,ほかに代替薬剤があるので,その薬剤の使用を避けることが望ましいとわが国の専門家委員らが判断した薬剤である.
ある指針や基準を使用することは,薬剤処方が単純化され過ぎて処方時における医師の自由が制限されるといった批判が出されるかもしれない.あるいは筆者らが開発した日本版に記載された薬剤のいくつかについて,異議を唱える人もいるかもしれない.しかしながら,高齢患者に薬剤処方を行う際に,論理的で妥当性をもつ基準を使用すれば,高齢患者に効率的にかつ安全に薬剤を処方することができ,これまで見過ごされてきた多くの薬剤療法に関連する健康障害を減らすことができる.
高齢患者における不適切な薬剤処方の基準 -Beers Criteriaの日本語版の開発
日医雑誌 第137巻 第1号
新型インフルワクチン 子どもの接種も治験開始へ
新型インフルエンザのプレパンデミック(大流行前)ワクチンについて、厚生労働省は6カ月以上の子どもを対象とした接種の治験を近く始める方針を明らかにした。16日の「新型インフルエンザ専門家会議」に提示した。子どもにも効果がある投与量を事前に調べるためで計120例を年内に集める。
治験で有効性や安全性が確認されれば、人から人への感染が広がる「フェーズ4」が起こる前のワクチン接種を、これまでの成人を対象とした医師や看護師ら「医療従事者」と警察官ら「社会機能維持者」だけでなく、子どもに広げるための検討につながる。
厚労省や関係者によると、治験の対象は6カ月から20歳未満。例えば、7歳以上には、0.5ミリリットルを2〜4週間程度の間隔を置いて筋肉内に注射する。全国の複数の医療機関で行われ、成人と同様の効果があり、副作用がないかどうか判断する。
ワクチンは昨年10月、成人について、一定の評価を得たとして治験の末、承認・製造された。しかし、子どもの治験は実施されておらず、「さらに情報収集の必要性がある」としていた。
一方、厚労省は16日の会議に、ワクチンの事前接種について、接種を希望する税関・出入国管理・検疫施設の職員、感染症指定病院の職員6千人を対象に、今年度内に事前接種をし、有効性や安全性を臨床研究することを提案、了承された。結果が良好なら09年度に医療従事者のほか、警察官や国会議員、水道事業者ら社会機能維持者1千万人に対象を拡大する。
さらに案では、安全性が高いと判断されれば、「維持者以外の接種についても検討する」としており、子どもの治験はこの対象に含める狙いがある。
asahi.com(朝日新聞)2008年04月16日
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]
新型インフルワクチン、医師ら6千人に事前接種へ
新型インフルエンザの発生に備えて厚生労働省は年内にも、医師や検疫官ら6千人にプレパンデミック(大流行前)ワクチンの接種を始める方針を決めた。舛添厚労相が15日、閣議後の会見で明らかにした。効き目や副作用など安全性を確認するのが目的。このワクチン接種を行うのは世界初の試みになる。
発生の懸念が高い東南アジアに近い先進国として、他国に先駆けて取り組む。舛添氏は「事前接種によって、有効性や安全性を評価する研究を行いたい」と語った。16日にある専門家会議に諮り、正式に決める。
6千人は感染者と接触する可能性の高い感染症指定病院の医師や検疫官、税関職員ら。その結果、安全性が確認できれば、その他の医療従事者や警察官、国会議員など計1千万人への事前接種について検討する。
備蓄しているワクチンは計2千万人分あり、インドネシア、ベトナムのウイルス株をもとにしたものが500万人分ずつ、中国の株のものが1千万人分。6千人分はこの中から、インドネシアと中国の株を使う予定。接種後に血液検査を行って抗体を調べるなどし、データを集めて安全性などを評価する。
現在、新型インフルの警戒レベルは6段階あるうちの「フェーズ3」。厚労省は、人から人への感染が拡大する「フェーズ4」になった段階でワクチン接種を行う予定だったが、早い段階での接種で有効性などが確認できれば「先手の対策が打てる」と判断した。
同ワクチンはすでに製造承認されており、承認前の治験では副作用の点で大きな問題はなかった。
asahi.com(朝日新聞)2008年04月15日
新型インフルエンザワクチンUMN-0501の第T/U相臨床試験を6月より開始いたします
新型インフルエンザワクチンUMN-0501の第T/U相臨床試験の実施に係る治験計画について、薬事法に基づいた独立行政法人医薬品医療機器総合機構の調査期間が終了したことに伴い、6月中旬より当該臨床試験を開始します。今回の臨床試験では、20〜40歳の健康な男性を対象として当該治験薬の安全性、有効性及び用量の検討をおこなうことを目的としています。
●株式会社UMNファーマニュースリリース 2008年4月10日
http://umnpharma.com/news.html#2008
薬剤師氏名等の公表制度の施行とその意味するもの
本年4月1日より、薬剤師名簿に登録されている事項のうち、「薬剤師の氏名及び性別」、「薬剤師名簿の登録年月日」、「処分に関する事項」について、厚生労働省から公表されることとなりました。本制度は、医療を受ける者その他国民による薬剤師の資格の確認及び医療に関する適切な選択に資することを目的としています。
薬剤師は厚生労働大臣から免許を受けた国家資格者であります。薬剤師法第一条では「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」と薬剤師の任務を明確に示しています。また、医療法では薬剤師を医療の担い手として位置付け、良質かつ適切な医療を行うことを薬剤師に求めているのです。
更に薬剤師法では、「調剤」業務は薬剤師でなければ行ってはならず(業務独占)、また薬剤師でなければ、薬剤師又はこれにまぎらわしい名称を用いてはならない(名称独占)として薬剤師の独立性を明確に示しているのです。
薬剤師はその業務を通じて公衆衛生の確保のために貢献するという社会的責任を果たすことが常に求められており、国民の健康な生活を確保するための奉仕者という側面もあると考えます。そして、今回の公表制度は、薬剤師でない無資格者から違法に医療の提供を受けることを回避できるようにするための仕組みであると捉えることが重要であると考えます。
我々は薬剤師であることを誇りに思い、日本薬剤師会が策定した「薬剤師綱領」や「薬剤師倫理規定」を常に思い起こし、高い倫理観をもって国民の信頼に応え、薬剤師業務を遂行していかなければなりません。
今般の公表制度の施行を、改めて薬剤師としての有り様に深く思いを致す機会として捉えたいと考えます。
平成20年4月1日
社団法人 日本薬剤師会
会 長 児 玉 孝
日本薬剤師会の見解(薬剤師氏名等の公表制度の施行とその意味するもの)
http://www.nichiyaku.or.jp/contents/topics/pdf/kouhyoseido.pdf
薬剤師の情報を開示することにより国民が享受できる利益(薬剤師でない者からの調剤を受けることを避けることができ、国民の生命・健康の保護に寄与するという利益)と不開示とすることにより保護される利益と比較すると、前者の利益の方が上回ると考えられることから、国民が薬剤師の資格確認を行えるような手段が必要との声がありました。そこで平成18年に薬剤師法が改正され、平成20年4月1日から薬剤師の氏名等を公表することになりました。
なお、本ホームページ上で検索の結果、表示される内容は、氏名・性別・登録年・該当する者に限り行政処分に関する情報(処分の種類及び期間、再教育研修を修了していない旨)となります。
●厚生労働省:薬剤師資格確認検索システム Q&A
http://yakuzaishi.mhlw.go.jp/search/html/qa.htm
首相「ネーミングよくない」 後期高齢者→長寿に
「ネーミングがよくないんじゃないか」――。1日に始まった75歳以上が対象の「後期高齢者医療制度」の名称に、福田首相が注文をつけた。首相に指摘され、舛添厚生労働相は通称を「長寿医療制度」とすることを急きょ決めた。
新制度は、75歳以上の高齢者を対象とした医療保険で、高齢者一人ひとりから徴収する保険料と税金、現役世代からの支援金で運営する。保険料は年金から天引きされ、高齢者だけを従来の国民健康保険などから切り離すことに根強い批判がある。舛添厚労相も記者団に、「お年寄りを前期と後期にわけてもいいのかという意見もある。我々の説明が足りないかもしれない」と話した。
この日、厚労省と総務省が連携して広報活動をするための実施本部を設置。自治体などを通じて、お年寄りを中心に新制度の周知を図る。通称は、今後リーフレットで正式名称との併記を検討するが、二つの名称が混在し、かえって混乱を招きかねない。「(通称の導入で)混乱しないやり方を考えたい」と厚労省担当者。
asahi.com(朝日新聞)2008年04月01日
医師の待機勤務に手当支給へ 国立病院機構
独立行政法人・国立病院機構(本部・東京都目黒区)は4月から、全国146病院の医師や看護師らが緊急手術などに備えて当番制で自宅待機する場合、手当を支給することを決めた。医師は1回5千円。年間支給総額約10億円を見込む。医師不足問題で勤務医らの待遇が課題になっており、国立病院が自ら改善に乗り出した形だ。
これまで「待機当番」は、各診療科の医師が順番で、夜間休日に電話が常につながるよう待機。患者の急変に応じて病院に駆けつけたり、院内にいる当直医から専門治療の相談にのったりしていた。「オンコール」と呼ばれ、無償だった。
4月からはオンコールも勤務とみなし、当番回数に応じて医師に1回5千円、看護師、臨床検査技師らに2千円を支給する。「待機中は飲酒もできず、在宅勤務をしているようなものだと、長年、対処要望が強かった」と同機構人事課。勤務医不足が社会問題化しているのを受け、初めて実施する。
関東地方のある機構病院の救命救急センターでは、医師にかかる電話は1回の当番中に複数回。2回当番があれば、1度は病院に駆けつける状態という。「無償では、医師個人の意識によって対応にばらつきがあった。きちんと勤務と認められることで、責任が明確になる」と同センター長は評価している。
asahi.com(朝日新聞)2008年04月01日

高齢者ご注意、避けた方が良い薬のリスト 国立研究機関
若者に比べて薬の副作用にさらされやすい高齢者向けに、避けたほうがよい医薬品リストを国立保健医療科学院の今井博久疫学部長らの研究グループがつくった。同科学院のホームページで今月上旬に公表する。患者の年代に着目して「不適切な薬」がリスト化されるのは国内初という。
掲載されるのは、睡眠薬や解熱薬、降圧薬、抗血栓薬など約70種類で、医師の処方が必要な薬。65歳以上の患者には一般的に、このリストにある薬は避けた方がいいと、高齢者の診療にあたる医師らに対して推奨している。年を重ねると肝臓や腎臓の働きが悪くなり、副作用の影響を受けやすくなるためだ。患者や家族らにも気をつけてもらいたいと、一般に広く公表する。
リスト選定の基準は、(1)服薬によってふらついて転倒する、幻覚が出る、尿の出が悪くなるなどのリスクがあり、薬効による利益を上回る恐れがある(2)代替できる薬がほかにある――の二つ。今井部長は、欧米で広く用いられている米国の医師マーク・ビアーズ博士作成のリストを基に、国内外の副作用事例に関する論文を加味し、原案を作成。北原光夫・慶応大学病院経営業務担当執行役員ら内科学や臨床老年医学、老年精神神経学、薬剤疫学などの専門家の意見を聴いてまとめた。
70種類のリストのほかに、糖尿病や肥満、胃潰瘍(かいよう)など約25の病気別に、この持病を持つ高齢者が特に避けた方がよい薬もリスト化した。
今井部長は「不適切な薬の使い方で、体力の落ちた高齢者を寝たきりにしてしまう場合もある。リストに挙げた薬の使用は避けて欲しいが、どうしても必要な際は副作用の出方を注意深く観察し、慎重に使うべきだ」と指摘する。
リストは日本医師会雑誌4月号に掲載。同科学院のホームページでは今月上旬に載る。
asahi.com(朝日新聞)2008年04月01日
エーザイ アリセプトのゼリー製剤申請
エーザイは14日、日本でアルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」のゼリー製剤の製造販売承認を同日申請したと発表した。ゼリー製剤は、アルツハイマー型認知症治療薬では世界初。嚥下機能の低下によって錠剤や細粒剤の服用が困難な患者や、唾液を含む水分を気管内に飲み込んでしまいやすい患者にとって、服用性が高まる。
日刊薬業ヘッドラインニュース【ニュース配信日 2008.3.17】