がん生存率、専門病院ごとに初公表 患者の要望に応え
国公立のがん専門病院などでつくる「全国がん(成人病)センター協議会」(全がん協、30病院)は4日、一部の加盟施設の胃がん、肺がん、乳がん、大腸がんの「5年生存率」を公表した。がん治療の中核施設でつくる全がん協が、施設名を明らかにして生存率を公表するのは初めて。施設ごとの治療成績の開示を求める患者の要望に応えるとともに、各施設に「差」の要因分析を促し、全国で同じ水準の治療を受けられるようにする目的がある。
30施設の診療内容を、厚生労働省研究班が解析。99年中に初めて入院治療を受けたがん患者について、その5年後の生存率を算定した。
データの精度を高くするため、各部位別に100人以上治療した▽治療した全患者のうち9割以上を、5年後まで追跡できた▽6割以上でがん進行度を判定できた――などの基準を満たした施設について生存率を算定。このうち、公表に同意した施設の名前を明らかにした。年齢、性別による影響は計算で除いた。
この結果、生存率を算定できた施設数は、胃がん18、肺がん15、乳がん11、大腸がん12。それぞれ、5〜3施設が公表に応じなかった。
胃がんでは、最も高かった国立がんセンター中央病院(84.1%)と、最低の匿名施設(45.5%)には38.6ポイントの差があった。偏りを避けるために外科症例のみ解析した施設を除くと、次に最高と最低の差が大きかったのは肺がんの30.8ポイント。大腸がん23.8ポイント、乳がん20.6ポイントだった。
ただ、胃がんで中央病院では、がんが最も早期の「1期」の患者が70%を占め、最も進行した「4期」との比が12.3。逆に最低だった匿名病院は、その比が1.2で、重症患者の割合が高い。研究班は「数字をそのまま医療の質が高いととらえず、治療について医師と話す際の資料にしてほしい」という。
全国286の「がん診療連携拠点病院」でも昨春から、国が示した統一手順で患者を追跡する仕組みが始まっている。14年ごろには、全がん協と同様の基準で5年生存率を算定できるという。
公表データは、全がん協のホームページの「全がん協加盟施設の生存率協同調査」から、見ることができる。

asahi.com(朝日新聞)2007年10月05日
がんの治療成績は、治療し始めて5年後にどれくらいの割合で生存されているかがひとつの指標になります。それを「5年生存率」といいます。
5年生存率がこのたび専門病院ごとに初公表されています。
●全がん協のホームページの「全がん協加盟施設の生存率協同調査」
http://www.gunma-cc.jp/sarukihan/seizonritu/
ただし、その数字が、
施設間の技術をそのまま反映するものではないとコメントされています。
がんの治療法には手術療法、放射線療法、化学療法だけでなく様々な治療法があります。さらにがんの治療は初回治療だけで終わるものではありません。初回治療後の定期的な通院、再発後の治療、緩和医療が必要な時期もまいります。各施設の生存率をご覧いただきますと生存率の高い施設だけとは限りません。一定の精度はクリアしていますが、院内がん登録システムが問題となっている施設もありますので、まだまだ十分とは言えません。従って、生存率は施設の治療技術のみを反映するものではないことを十分ご理解いただき、生存率の数字のみにとらわれず、各施設で納得するまで病気の説明を受け、治療法についてよく相談いただきたいと思います。
全がん協の今回のデータは院内がん登録のデータですので、手術症例だけでなく、内科症例、放射線治療された症例、残念ながら手術を受けた後の合併症で亡くなられた方も含まれています。従ってこれまで各施設のホームページ等で公表されている外科症例中心の生存率とは異なり、低く出ることをご承知おきください。
●全がん協のホームページの「全がん協加盟施設の生存率協同調査」
http://www.gunma-cc.jp/sarukihan/seizonritu/
がんの進行度はT期からW期までわけられて、T期が軽くてW期が重いということです。
朝日新聞記事にあるように、胃がんの成績で5年生存率のトップだった国立がんセンター中央病院はT期の患者さんが多く、最低の匿名施設はそれに比べてW期の患者さんが多かったということです。
がんの診断がでて、初期の段階で国立がんセンター中央病院に紹介となる患者さんが多いのかと想像できます。
T期の患者さんが多いということは、症状が軽いために治療して5年生存される方が多く、一方W期の患者さんが多い施設では厳しいということが考えられます。
そのようなことがあって、施設間で数字を一律に比べるわけにはいかないということです。
ちょっとだけ他のサイトをのぞいてみましたが、ここら辺のサイトが興味深かったです。
●「やぶ医師のつぶやき」〜健康、病気なし、医者いらずを目指して:がんの5年生存率を公表
http://blog.m3.com/yabuishitubuyaki/20071005/1
●東京日和@元勤務医の日々:病院別がん生存率が公表に 施設ごとに大きな差
http://skyteam.iza.ne.jp/blog/entry/327390